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その日僕は運命を呪った。
神なんていなかったんだ。
僕の隣で医師が淡々と告げる事実に呆然とする母
僕は真実を受け止めきれず、初めて暴れた。
腕を屈強な男に後ろ手に押さえつけられ、医師が無表情で僕の首につけようとしているのは、頚椎を噛まれないようにするための無情な無機物。
そして首の前でカチッと音がしたのは無機物が完全にしまった音。
医師は小さな鍵を持っていて、"これは僕を守る唯一の砦。抵抗策だ"と僕に鍵を渡した。
あぁ…こんな事のために僕は…僕の人生は死んでしまうのか…?
手に渡された抑制剤が事の重大さと、現実であることを物々しく語っている。
その日が冬でよかった。
だってマフラーで首を隠せるんだから。
僕はマフラーを巻き診察室を後にする。
母は静かに泣きながら、僕の頭を抱えるようにして、撫でてくれた。
僕ははこんなに母を困らせるためにこの16年間を生きてきた訳じゃないのに。
何故第二の性がこの世に生まれてきてしまったのか…
混乱する思考は途切れることなく、頭の中をぐちゃぐちゃにしていく。
道を歩いていると、自慢げに道路を歩く奴はαだったんだろう。普通に歩いている奴はβだったんだろう。
空を見上げると、視界に白い目で冷たい雪がふってきた。
『…冷たいなぁ』
ボソッと声に出した言葉は雪と同じように地面に溶けてゆく。
…これは進学先である帝丹高校に入学するため制服のサイズ合わせ。そして、必ず受けなければならない第二の性の診察に行った日の悲劇。
…僕がΩ性を授かった日の出来事だ。
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ふ。ー(プロフ) - 孤月さんありがとうございます!!α了解しました!番の方はまたアンケート取りたいと思ってるので、その時に投票お願いします!! (2018年8月25日 15時) (レス) id: f53d8443c9 (このIDを非表示/違反報告)
孤月 - 降谷さんがαで、主人公と番とか… (2018年8月25日 0時) (レス) id: 5299f2ee2b (このIDを非表示/違反報告)
ふ。ー(プロフ) - ご指摘ありがとうございます!すぐに直しました。今後もよろしくお願いいたします。 (2018年8月23日 17時) (レス) id: f53d8443c9 (このIDを非表示/違反報告)
ぺいんと(プロフ) - いつも楽しく読まさせていただいております。46が抜けています。上からになってしまいすみません。 (2018年8月23日 3時) (レス) id: 81ffb0b3cd (このIDを非表示/違反報告)
ふ。ー(プロフ) - 朔さんありがとうございます!αですね!了解しました! (2018年8月14日 14時) (レス) id: f53d8443c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふ。ー | 作成日時:2018年8月7日 13時