いたい ページ2
「……ろ、…い、起きろ」
『……ん……』
瞼を少し開ける。すると、見知らぬ緑が目の端に映った。
ジ「やっと、起きたか……」
『っ!!ジン!!…ぁ、え?』
勢いよく上半身を起こそうとした…が、それは叶わなかった
『手錠…?』
ジ「今、お前に逃げられるのは困るからな。」
『…こんな事をして何になるんだ。俺はお前の知ってる"俺"じゃない。』
ジ「知ってる。『じゃあなんで!!』もう、2度と逃がさねぇためだ。」
…そんな顔で俺を見ないでくれ。なんでそんな……
ジ「さっさと始めるか……」
先ほどまで浮かべていた表情は存在しなかったかのように跡形もなく消えた。今はただ狂気を浮かべるのみ。
『何、を……』
ジ「お前の人生を変えるんだよ。…最初からな」
いつのまにか、手には注射器が握られていた。
『い、やだ……いやだ!!いや……あ、ぁぅ……』
乱暴に顔を横向けに押さえつけられ、首筋に針が入る。
プツッと肌の中にひんやりとした針が通る感覚がした瞬間、液体が流れ込んでくる。
『まっ、て…ぁ、…いや、だ……おねが……』
脳が薬品に反応し始めた。思考が視界が感覚がどんどん麻痺していく。
忘れたくないっ!忘れた、くない、よぉ……俺は、おれ、は……あ、れ?俺、は何が、嫌だった…?お、れ?ぼ、く…は、なにを……
ジ「…目の前にいるのは誰かわかるか」
…めの、まえ……?…だれ?
ジ「てめぇの名はわかるか」
…な、まえ?……わから、ない……
ジ「てめぇのことはわかるか」
…ぼく、じしん、のこと…?……しらな、い…
『おにい、さんは……だれ?』
ジ「ククッ!!上出来じゃねぇか……」
しらない……わから、ない……ただ……
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こころが、くるしい
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作者名:ふ。ー | 作成日時:2019年1月26日 19時