最後の言葉 ページ2
だが、彼女は裏切らなかった。
時雨『治…………あなたがもし、私の……最後の願いを聞いてくれるなら……』
太宰『最後だなんて言わないでくれ。医療班を呼ぶから。だから……』
時雨『いいえ…………最後よ……』
太宰『……！！』
時雨『…………私ね、３つ下の妹がいるのよ……その子は感情を失ってる…………闇に染まってる……』
太宰『………………』
時雨『でも、本当はいい子なのよ…………いつも私のために……頑張ってくれてるの……』
太宰『………………』
時雨『あの子のことを…………貴方にお願いしたい…………』
太宰『……私ではその子を救えない。現に君のこともこうやって……！』
時雨『自分を責めないで…………ただ、もし可能なら、あの子に教えてあげてほしいの……じゃないと、あの子はまた……』
太宰『時雨…………』
時雨『お願い、治…………貴方ならきっと………………私が愛した貴方なら、きっと……』
それが、時雨の最後の言葉だった。
太宰の腕の中で、時雨は息を引き取った。
彼女をゆっくり寝かせると、太宰は口を開いた。
太宰『………君の妹は、私が見るよ。私が愛した君の、大切な妹を……』
実際、時雨の妹に会ったことはないが、それでも見つけ出して育てると決めたのだ。
自分が愛した、�犖涎郢�雨�瓩髻�
そして時雨、私は君との約束を守ってみせる。
幸せに出来る自信はないけれども、生きる意味を、見つけてほしい。
そして自分が手を差し伸べた子から、私も教わることがあるかもしれない。
太宰『やぁ、君が�犖涎�A�瓩舛磴鵑世諭�』
？『………………』
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作者名：AiRA | 作成日時：2018年4月2日 20時
