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ガチャッ
貴女『あら?夜に来るなんて珍しい。ごめんね、治はまだ来ていないわ』
芥川『…………そうですか』
貴女『ゆっくりしていって。顔色悪いわね。
ちゃんと寝れてる?』
ピアノを毎晩弾いてるのであまり寝れてない。
などと口が裂けても言えない。
僕が好きで弾いているのだから、いいのだ。
貴女『私は最近凄くよく眠れてるのよ。
5時間ぐらいしかないけどね』
芥川『5時間……?』
貴女『そう。なんかね、ここの部屋うっすらとピアノの音が聞こえるのよ。幻聴かも
しれないけどね』
間違いなく僕の音だ。
貴女『あれを聞くと短時間で凄い熟睡できるの。今度実際に見て聞いてみたいな』
芥川『…………そうなんですか』
貴女『芥川君の部屋までは聞こえない?』
芥川『はい』
貴女『幹部フロアだものね。聞ける機会が
あるといいね』
ガチャッ
太宰『やぁ、待たせたね』
貴女『お疲れ様、治』
もしかして、太宰さんはこの光景を
見せつけるために僕を書庫へ行かせない
ようにしているのだろうか。
だとしたら分が悪い。
太宰『今日は?』
芥川『任務の報告書類です』
太宰『はぁ…………』
ピアノ、弾きたい。
太宰『ま、いいや。先戻っていいよ』
芥川『失礼致しました』
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作者名:AiRA | 作成日時:2018年1月18日 21時