35 1杯の茶漬け ページ35
僕の名前は敦。
故あって、餓死寸前です。
孤児院を追い出され、食べるもの寝るところもなく、かといって盗みをはたらく度胸もなく
こんな処まで来てしまった。
芥川『空腹か?少年』
敦『…………?』
なんか、綺麗な黒外套に身を包んだ
男性が立っている。
あれ、なんで毛先白いんだろう。←
敦『じ、実はここ数日何も食べてなくて……』
芥川『そうか。それは災難だったな』
国木田『そんな処におったか芥川!!
全く大人しくピアノを弾いているから放っておいたものの、貴様はいつも気まぐれに……』
芥川『丁度いい。彼は私の上司だ。
何を所望だ』
敦『えっ、と…………茶漬けを……』
芥川『よし。彼に奢ってもらうことにする。
ついてこい』
国木田『俺の金で太っ腹になるな芥川!』
敦『芥川……?』
芥川『僕の名だ。僕は芥川。
芥川龍之介だ』
敦『ぼ、僕は中島敦です!』
芥川『では敦、ついてこい』
敦『はぁー食ったー。もう茶漬けは
10年は見たくない』
国木田『貴様…………』
敦『でも本当に助かりました』
国木田『ふん。そろそろ仕事に戻るぞ芥川』
芥川『僕の仕事は終わっておりますが……』
国木田『区の災害指定猛獣のことだ』
敦『災害指定猛獣?』
国木田『虎だ』
敦『!!!』
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作者名:AiRA | 作成日時:2018年1月18日 21時