拝啓君へ (ページ3)

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子供は優しかった。

私より年下ではあるが、接しやすく、皆
笑顔ではしゃいでいた。

それを見ることが楽しかった。

マフィアの大人達は餓鬼に手間をかけさせたりはしない。だが、ここに来て新たなことが
学べた気がする。

人を殺したいと思ったことはないが、自分も
普通の人になりたいとおもったことは
何度もあった。

この人生に華が咲かなくてもいい。

つぼみの段階までいけば、自分次第で
幾分か素敵に輝けると思った。

貴女『…………なぁ』

子供『ん？』

貴女『お前、名前はなんと言うんだ？』

翔太『僕？僕は翔太って言うんだ！おねーちゃんさ！これからも遊びに来てくれる？』

貴女『あぁ。午後からになるかもしれんが……』

翔太『いいよ！大丈夫だよ！』

ほんとにこの餓鬼共は横浜の闇や、
マフィアなどの闇について知らなさすぎる。

否、それが普通なのだろうか。

まぁどっちでもいい。約束さえ守れば
いいのだからな。

翔太『バイバイおねーちゃん！』

全員『ばいばーい！』

貴女『…………気をつけて帰れよ……』