拝啓色褪せた追憶 (ページ10)

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ガチャッ

織田作『…………Aか。お疲れ』

貴女『お疲れ様です』

織田作『新たな任務でも言い渡されたのか？』

貴女『この間の件で、逃した奴らの殲滅、裏切り者の処罰、だってさ』

織田作『お前なら簡単な任務だな』

貴女『いや、今回は死ぬでしょうね』

織田作『……？』

貴女『勿論物理的にです』

織田作『………………』

貴女『心配はかけませんよ。でも、１つだけ話しておきたいことがあるんです』

織田作『なんだ？』

貴女『私はこの任務を最後に、マフィアを辞めます』

織田作『…………そんなことをすればお前は……』

貴女『ただじゃ済まされないでしょうね。でもちゃんと頭の中で作戦は立ててあります。少々遠いところまで引っ越すので、織田作さんと会うのは暫くかかりますね』

織田作『たまに姿を見せてくれればいい。だが
どうしていきなりそんな結論に至った？』

貴女『…………一言で言えば〝逃げたかった〟。マフィアからも、兄からも、闇からも』

織田作『……そんなに太宰を恨んでいるのか』

貴女『まさか！恨んでなんていませんよ。私が無能だっただけです。周りの構成員の話を聞いていれば分かることでしょう？』

織田作『お前は組織に貢献している。優秀だ』

貴女『仲間がいるからですよ。だから最下級構成員でも、ここまで来れたんです』