33 太宰side 過去編 ページ33
私もAも一般家庭で育った。
昔は兄妹仲が良かった。私は優しくAと呼ぶことが出来たし、Aも私のことをお兄ちゃんと呼んでくれていた。
でも、Aは生まれた時から呼吸器系が弱く、発達が遅いために、長時間で過激な運動は出来なかった。
だがそれでも、Aは貧しい家族の役に立とうと、生命を削ることも恐れずいつもひたむきに頑張ってきていた。
そしてある日、悲劇が起こった。
私の母がAの治療費を稼ぐために、凶悪組織の男の元についた。
なんとか稼ぐことは出来たが、母は裏切り行為がバれ、奴らに殺された。
その事を知ったAは、真っ先にこの方法をとった父を責めた。
貴女『父さんのせいだよ!私の治療費なんか稼がなければ、母さんは死ななかったんだ!!』
父は何も言えなかった。
貴女『どうして見捨ててくれなかったの!?母さんが死ぬことなんてなかったんじゃん!!』
Aは涙を流しながら父を責め立てた。私と父は本当に何も言えなかった。
貴女『こんな異能力…………欲しいと思ったことなんてない!!』
挙句の果てには自分の異能力までも恨んで、今まで助け合ってきた家族だったのに
ここにきて全て崩れていった。
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作者名:AiRA | 作成日時:2018年3月28日 11時