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この世界に命を授かり、産まれ落ちてから15年と2ヶ月。私は、村の誇りある家の分家の娘として生きていた。親からは愛を貰い、学びも充分にさせてくれる、一部を除いてはごく普通の家。
そんな私は、ついこの間、俗に言う前世の記憶というものを思い出した。かなり唐突だった。
その日、私はいつものように稽古を終え、自分の部屋でお茶を飲んでおり、なんだかいつもより頭が痛くて、気持ち悪かったのを覚えている。
｢今日は少し早めにお休みしようかしら。｣
自分の身を案じ、ふう、と一息を着いてぐっと背伸びをする。体が伸びて、少し気持ちよかった。
今は午後6時ほど。夕餉の時間はもう少し後なので、ざっと小一時間程は仮眠が出来るなだなんて考えて、少しだけ眠ることに決めた。
壁にもたれ掛かり、足に毛布を軽く被せる。深呼吸を続けていると、段々と意識が遠のいていった。
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頭がふわふわする。ここはどこだろう。まるでぬるま湯に浸かっているような感覚だ。目もあまりよく見えない。薄らとモヤがかかっているように思えた。しばらくじっとしていると、段々と視界も良好になっていき、意識もはっきりとし始め、何かが見えてきた。
それは、誰かの記憶の片隅のように思えた。
誰か私じゃない人の目線で、どこかの建物の中を歩いている。あまりに今よりも近未来的なものだから、酷く違和感を感じた。
その目線の人物は、その建物の中にあった大きな扉の中に入っていき、とある席に着いた。目の前には、なんだかよく分からない物が映し出されている。
｢(ここはどこ？暗い)｣
目の前に映る現実味のない光景に戸惑いが隠せない。そのまま待っていると、急に周りが暗くなり、目の前になにかが映し出された。
その映し出されたモノは、なにかの物語の様で、そのまま見進めていると、ふと気になる単語が聞こえてきた。
それは私が住んでいる村であり、私が生まれ育ったところだった。
突然、強い頭痛と目眩に襲われる。
｢うﾞ？あ、？？｣
酷く視界がぐるぐるとしているので、吐きそうになってくる。そのまま気付いたら闇の波に呑まれてしまって、それと同時に更なる頭痛と吐き気が襲ってきて、耳鳴りもするようになった。
頭の中をぐるぐると掻き回される感覚と、段々と酷くなっていく耳鳴りが怖くて、必死に抵抗した。
そして、耳鳴りのキーンという音しか聞こえなくなった頃、私の意識は覚醒した。
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作者名：かっこんとう。 | 作成日時：2023年12月28日 23時
