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幕開け ページ1
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とある山奥にそっと佇む村に、その少女はいた。
酷く怯えた顔をして、少女の自室と思われる場所で正座をして下を向いていた。膝の上にある、強く握りしめられた拳は、小刻みに震えている。
少女の部屋は、広々とした部屋であった。戦後の貧しい日本の中では、かなり裕福な家庭と言えるだろう。これまではなんの不自由もなく生きてきて、これからも苦労なんてものは無縁と思われる少女は、とあるものに怯えていた。いや、正確には絶望している。
その絶望した顔をして、少女はポツリと呟いた。
誰にも拾われることの無い、まるで虫の羽音のように小さく、細い声。
｢全て、全て思い出した…。｣
そんな少女の呟きから始まる、世にも奇妙な物語。
自らの運命に絶望し、生きたいという一心で奮闘する、少女のお話。
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作者名：かっこんとう。 | 作成日時：2023年12月28日 23時
