9:招待 ページ11
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それは、彼女との出会いから数日後のこと。
店で仕込みをしていた俺に、突然電話がかかってきた。
ツムかお客さんかなと思い電話に出ると、その声はよく聞き慣れていて。
「え、俺が行ってええのんですか？……はい、はい…、いや、ツムは今日おらんけど……わかりました、はい、よろしゅう頼んます」
プツ、と切れた電話を前に、北さんが言っていたことを頭の中で反芻した。
先日北さんが紹介してくれた前田さん。あの人が、とれた鹿肉で今夜プチパーティーとやらをするので、ぜひ来て欲しいと。
今日はいない片割れには後日料理をわけるので、と。
貰った鹿肉は、あの日から3日冷蔵庫で寝かせ、焼肉にして食べた。ツムが焼肉焼肉て、うるさかったのもある。
独特の臭みもなく、しつこくない脂がほどよく乗っており、柔らかくて美味かった。
所謂ジビエを食べたのは初めてだったもんで、その美味さに感動した。
それが今夜、鹿肉を使った料理を振舞ってくれるという。
こんなに楽しみなことがあるか。
『信ちゃん、治くん、いらっしゃい！あがってー』
北さんの軽トラに乗せてもらい、前田さんの家に着いた。
エンジン音を聞きつけたのか、玄関ドアを開けて出てきた彼女は、笑って俺たちを歓迎してくれた。
家の中にはすでに美味そうな肉の匂いや、炊きたての米の匂いが充満していて、むわっとした空気が食欲を掻き立てる。
居間に通されると、彼女の家族らしき人達がテーブルを囲っとった。
『まあまあ、適当に座っててよ。そこ空いてるから』
「なんか手伝う事ありますか」
『もう終わるから大丈夫！』
足伸ばしてな！と半ば強引に座らされ、彼女の母と思われる女の人に、俺と北さんは格好の的にされてもうた。
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一二三(プロフ) - 月花さん» 切ないの、好物でして……(´∀`) コメントありがとうございます、今後ともよろしくお願いします！ (2021年10月1日 8時) (
レス) id: 828f66f0f0 (このIDを非表示/違反報告)
月花(プロフ) - なんかいろいろ切ないですね……By恋愛未経験者 (2021年9月27日 6時) (レス) @page39 id: 9a5d2125ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：一二三 | 作成日時：2021年7月19日 16時
