"丁" 楽しみなことを。 ページ9
「ちょっとデン、離れてよ。」
「それは無理なお願いだっぺ。」
さっきから私に抱きついたまま離れてくれない彼氏さん。
今、勉強してるんだけど。
「デン、勉強してるから離れて。」
「…わかったっぺ。」
あら、意外と素直に離してくれた。
「あとでまたハグすっぺ!」
「ふざけんなや。」
「口が悪いっぺよー!」
「お前は気楽でいいな。」
此方は明日テストだから勉強しないといけないんだ。
はぁ、もう憂鬱。
「俺が癒してやるっぺ!」
またさっきと同じようにぎゅうっと後ろから抱きついてくる。
「ああ、もう!もういいよ!」
どうせ今、やめてと言っても離してくれないし。
それにまあこのままでもいいかなって。
「好きだっぺよ〜!」
「あー、はいはい、私も好きですよー。」
デンの頭をポンポンと優しく叩いて、参考書とまた向き合う。
デンは嬉しそうに私の首筋に顔を埋める。
「今度、二人で海さ行かねぇ?」
「海?あー、うん。いいよ。」
いきなりどうしたんだろう。
べつに良いけど。
「ほれ、最近何処にも言ってなかったっぺ。せっかくだから出かけたいと思ったんだっぺよ。」
「たしかにそれもそうだね。海かぁ、楽しみだな。」
楽しみだから、勉強も頑張ろう。
「ありがとう、デン。」
「べつに何もしてねぇぞ!」
デンは満面の笑みを張り付けて私を見つめる。
その頬にキスをして、さっきのように頭を優しく叩いた。
30人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みずりんろーる | 作成日時:2017年4月11日 14時