"日" レクイエム。2 ページ12
「どうして、泣いているの?」
Aの手が私の涙をそっと拭う。
涙が止まることはない。それどころか次々に溢れてくる。
「馬鹿ですね、貴方は……!」
「日本さん……怒らないで。」
えへへと笑って、Aは言った。
「私は、もうすぐ死ぬんです。」
「……え?」
彼女の言葉に驚き、涙がピタリと止まる。
「さっき、夢で神様に言われたんです。もう貴方は死ぬんだと。
だから最後に、大切な人に言いたいことを言いなさいと。」
「…嘘でしょう?貴方はまだお若いのですよ?」
「嘘じゃないんです。」
嘘だ、絶対に嘘だ。
まだ成人していないこの子が、死ぬだなんて。
「だから聞いてください、私の愛する祖国様。」
どうして今、祖国と呼ぶのだ。
今まで通り、日本と呼んでくれたら…。
「祖国様、私は人間で、貴方は国です。」
「ええ、分かっています。」
「だけど、私は……。」
彼女は私の手を弱々しく握り、涙を流した。
「祖国様を、愛しています。これからも、ずっと。」
さようなら、祖国様。
にこりと笑って彼女は目を閉じた。
「嫌、嫌です!!Aっ!!」
彼女が目を覚ますことはなかった。
もう二度と、大好きなあの月は見れない。
それなら私は、此処で彼女のために歌い続けよう。
これからも、ずっと。
──
長くなったくせに話の内容が分からない。
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作者名:みずりんろーる | 作成日時:2017年4月11日 14時