兄もアレなら妹もアレ【白鳥沢】

35 アレって言うな ページ36

こんな事になるなんて思わなかったじゃ

もうダメなのかもしれない


「行こう。Aちゃんは悪くないよ」



手を引かれてその場から私は逃げた



「大丈夫？」


この大学生は何故私にそんなに構うの？



連れていかれたのは自販機の前のベンチ



水を買ってくれた




「どうして私なんかに構うんですか」



「え？言ったじゃん好きだって」




いや、好きとは言ってないです。



「私は好きな人なんて出来ません…


だからごめんなさい」



優しい人なのに私はこの人を傷つけてしまった



「そっか。


でも、絶対合宿終わるまでに好きにさせる！」



え？



「だってAちゃんの事好きだしね」



「はぁ……」


1泊2日なのに私があなたを好きになるか……



なぜ私を1日会っただけで好きになったの？



なんか私、この人苦手。




「すいません、


今日疲れちゃいましたので先に寝ます


水ありがとうございました」



お礼を言ってベンチから立ち上がった




「！！？もう寝るの！？」


「はい。また明日も練習お願いします」



女子部屋が用意されたがどうせ1人だ


でもこの人と一緒じゃなくていい



部屋に戻ると自分の荷物の上に腰掛けた





皆のバレーの邪魔をしていた私


冷静に考えた


それを取り返すことは出来るのだろうか











皆の力になりたい。









逃げた私がよくそんな事を言えるよな…



でも、皆が好きだからマネを今まで続けてきた



皆が全国に行って欲しいから頑張ってきた



今も昔も考える事は一緒









私が出来ることってなんだろう。








思いついた私は荷物を漁りTシャツを着た



きっと今頃皆はお風呂の時間や自由時間


誰もいないはず。



私は1人で体育館に向かった

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