しげじゅんに尊みと嫉妬を感じながら生きるこたきくんのお話。【桃赤】

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小瀧にこんな質問をしてみたことがある。



「しげじゅんのどこに尊さを感じて、どこに嫉妬してんの？」


嫉妬のくだりはまぁ予想はつくけど。

と、安易な質問を敵にぶつけた俺は、俺をめちゃくちゃ恨むことになった。


「まず、尊い部分はな、しげが淳太のことをいじり散らかして、淳太が反撃することよくあるやん？そのときのしげの顔！！引っ叩かれようが何されようがめちゃくちゃ嬉しそうな顔すんねん！！なんで！？なんでなん！？淳太が相手してくれたことが嬉しいんか！？かわいいなぁしげちゃんは。
ほんで淳太も淳太でしげのことガン無視すればええのに、なんだかんだ相手してあげてんねんな。ウザ絡みされるって分かってるのに相手するってどういうこと！？意味わからへん！！しげのことめちゃくちゃ好きじゃないとできひんやんこんなの！！ミステリアス！！たまーに、しげのことひどく冷たい目であしらってるときもあって、それはそれでなんかええねんな。ああ、淳太もただただMだからいじめられたいとかそんなんやないんやって……そんでな、」

「もう、ええよ。
ごめん、聞いた俺が悪かった！！」

「じゃあ、嫉妬する部分言うな？
しげにあんなに絡まれてる淳太が羨ましい。心底羨ましい。何もなくても淳太にすぐ絡みに行くやん話しかけるやん隣に座るやん。淳太のこと大好きやん。ほんまに嫉妬。ヤキモチ。ジェラシー。だからといって、俺があんなにウザ絡みされたら爆発するし、しげちゃん全部を受け止め切れる淳太の器のデカさにも嫉妬してる」

「あ、うん、」

「そんで、」

「いや、もうええわ、お腹いっぱい」



小瀧がほんまに難しい境地に達していることはよーくわかった。

どんだけ感情忙しいねん。

俺が何かしてやれることがあればええけど、どうやらないみたいやった。

強いて言うなら、そのぐちゃぐちゃな感情を俺が消化してやることだけ。




「お腹いっぱいなん？
俺はお腹空いてるんやけど」

「なんか食べたらええやん」

「うん、じゃあいただきまーす！！」

「はぁ！？
ちょ、待て！！冷蔵庫に向かえ！！
あ、ちょ……んんっ、」

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