story 162 感謝 ページ29
もう無理か、と入口を出てすぐに足を止めた。
あ「はぁ‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥えっ‥‥？」
しかしどうしたものか。彼も私とほぼ同じタイミングでこちらに引き返してきたのである。
私の数メートル手前で止まると、懐から何かを取り出し、それをこちらに投げてきた。
あ「えっ‥ちょ、」
突然のことだったので少し慌てたものの、なんとかそれをキャッチすることが出来た。
握り締めた両手を開くと、さっきまでキッドに取られていた変声機がそこにあった。
キ「悪ィ、それ返すの忘れてた！
名探偵も来るし、俺先に帰っから、オメーも気ィつけて帰れよ！」
キッドがそう言い終わると同時に、一つ奥の十字路に寺井さんの車がｷｯと音をたてて止まった。
そんじゃな！、と片手を上げて背を向けたキッド。
そして車の方へと向かおうとする。
‥‥‥‥‥が、
パシッ‥‥
キ「へっ‥‥？」
あ「ぁ‥‥」
何故か私は、その腕を掴んでいた。
最初は自分でも何をしてるのだろうと思ったが、すぐに答えは出た。
あ「そ‥の、あ、ありがと‥ね。」
＿＿感謝の言葉を述べ忘れていたことに気づいた
目の前の彼はえっ？という表情をしているが、構わず続ける。
あ「‥‥み、見ず知らずの私に色々してくれて、私の話も聞いてくれて、ありがとう。
おかげで、ちょっとスッキリした。
私も君を見習って、自分の弱さに負けないよう、これからも黒猫頑張るね！」
言いたいこと全部言えた、そう安堵してキッドの表情を窺えば、こちらを向き、少しの笑みを溢していて。
キ「バーロ、犯罪者を見習ってどーすんだよ。
‥‥ま、別に構わねェけど‥‥」
ﾎﾟﾝ‥と不意に彼の片手が私の頭の上に乗っかる。
少しの重みを感じながら、その何とも言えない暖かさに安心感を覚える。
キ「＿＿＿＿＿負けんなよ」
短く、けれども色んな意味を含んだその言葉。
こちらを見る彼の目は真剣そのもので。
だから私も「うん。」と、しっかり意志をこめて返した。
多分その時が、今日一番の笑顔だったと思う。
‥‥‥‥その後、キッドは深く被っていた帽子を、何故かより一層深く被り直したのだが、
‥‥‥‥‥その本当の理由を
‥‥‥‥‥私は知るよしもない。
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茉凪 - おはようございます(*^^*) だいぶお久しぶりです？ 今気が付いたのですが。。。 パート4の誰々目線の所sideが全てsaid表記になっていますよ？ (2023年4月14日 9時) (
レス) id: 361e8a8309 (このIDを非表示/違反報告)
山��あみい - とても面白かったです (2021年10月29日 19時) (レス) @page41 id: 93b6a44a11 (このIDを非表示/違反報告)
晴空 - リクエスト締め切らせていただきます！リクエストしてくださった皆さんありがとうございました！また機会があればよろしくお願いします！ (2017年9月22日 9時) (レス) id: 5fb64d8e41 (このIDを非表示/違反報告)
晴空 - 夢巫女さん» リクエストありがとうございます！続編までの数が残り少ないので満足していただける内容になるか分かりませんが、私の文才力全開で書かせていただきます( ｀・ω・´)ﾉ (2017年9月22日 9時) (レス) id: 5fb64d8e41 (このIDを非表示/違反報告)
夢巫女 - リクエストってまだ大丈夫ですか？新一の夢の中で、夢主とイチャイチャして、目が覚めた新一がいつかこうなれば、みたいに考えるのはどうでしょうか？イチャイチャの内容はお任せします。 (2017年9月20日 19時) (レス) id: 6cc7262479 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：晴空 | 作成日時：2017年4月22日 9時
