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「失礼します」


ノックの音と共に現れたのはシーラE。そういやAと初対面したときも、途中で彼女が入ってきたのだった。


「ジョルノ様、約束のモノをお持ちしました」


ただ、あのときと違うことが一つ。彼女は布に覆われた荷物を乗せたカートを引いていたのだ。


「シーラE、それは一体?」


「知らないし詮索する気もないわ。あたしはジョルノ様の命令に従うだけよ」


そう言ってぷい、と顔を背けてしまう。



「はは、真面目ですね君は。いつもありがとう」


「ジョルノ様...あ、あたしはこれでッ!」


敬愛するジョジョに微笑みかけられ、顔を真っ赤にしたシーラEはしどろもどろになりながら退出。...わかりやすいなあ。


部屋には再びぼくとジョジョの二人きり。他には大量の箱と、シーラEが運んできた『約束のモノ』。


「これが、貴方の秘策ですか」


「ええ、きっと驚きますよ」


自信たっぷりに布に触れ、勢いよく剥ぎ取る。



「これがぼくの秘策ですッ!」



──薄いキャミソール越しでも分かるきめこまやかな白い肌。腰まで届く艶やかな黒髪。瞼を閉じカートの上でじっと体育座りする姿からは意思といったものがいっさい感じられない。


糸の切れた人形のようなソレは。




「Aさんッ!?」


「はい、A──そっくりに作らせたマネキンです」


「...マネキン?」


「ほら、よくできているでしょう?」


促されるままA(?)に近づき、おずおずと露出している肩に触れる。...冷たい。確かにマネキンのようだ。


「やろうと思えばぼくのゴールドエクスペリエンスであの子を模した人体を産み出せるんですが、流石に倫理的にアウトかなと」


「どう考えてもアウトですし、妹そっくりのマネキン作らせるのも大分アレですよ...」


人殺しに特化したぼくのスタンドと違い、彼のそれは万能だが、やろうと思えばそんなことも出来るのか。背中に冷たい汗が流れる。



「さあ、このマネキンに取り寄せた服を片っ端から着せていきますよッ!」



ぼくの恐怖など露知らず、嬉々としてマネキンの身体を起こすジョジョ。マネキンが薄着なのもあり、絵面がヤバすぎる。


「ハハ、頑張って下さいね」



目を背けるように踵を返す。本来今日は休日なのだ、家に戻り五時間ほど惰眠を貪りたい──





「何言ってるんですか、君も手伝うんですよ」


「...ですよねー」




ぼくが解放されたのは翌日の午前2時だった。

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あさはか金魚(プロフ) - 面白い!こんな面白い作品を作っていただきありがとうございます!! (2020年8月2日 10時) (レス) id: bae01be7f3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - tamaさん» コメントありがとうございます!最初にコメントくれた方ですよね?ずっと読んでくれていたこと、感謝します。これからも頑張ります! (2019年11月14日 0時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)
tama(プロフ) - お久しぶりです!31話からもうわくわくでした!頑張って! (2019年11月12日 20時) (レス) id: 85d88e1cc2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 美琴さん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけてなによりです!ハロウィン後半のテーマは『あの人達と一日限りの邂逅』です。もう11月ですがまだハロウィン回は続くので楽しんでいただけると嬉しいです! (2019年11月12日 1時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 幽銀さん» コメントありがとうございます!作者も読んでくださる読者の皆さんがいっぱいしゅき…… (2019年11月12日 1時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年9月3日 4時

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