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｢あの子に服を贈りたい｣
重大な任務があると、朝早くにぼくを呼び出した我らがジョジョの第一声である。
ジョジョの命令とあれば何なりと、と意気込んでいた気持ちが急速にしぼんでいく。
そんなぼくをよそに、ジョジョは熱っぽく語る。
｢世界一可愛いぼくの妹が可愛い服を着る...そうすると天から光が降り注ぎ空には虹がかかり周囲には純白の羽が舞いパッショーネにたてつく連中も涙ながらに武器を下ろし今日もどこかで死に続けているボスも浄化され天へと昇り第五部完！...という訳です。分かりますか？｣
｢朝から元気ですね｣
｢ぼくの話聞いてました！？｣
──このように、圧倒的カリスマ性を持つ彼が妹が絡むとかなり様子がおかしくなるというのは、現状ぼくだけが知っている秘密である。知りたくなかったな...
｢服ねえ...そういや彼女、制服着てましたね｣
｢ああ、他の服を入れていたカバンが手違いでボリビアの空港に送られてしまったらしくて｣
｢ボリビア...｣
｢流石のパッショーネもアフリカは勢力圏外ですからね。見つけ出すのには時間がかかるでしょう｣
無理、とは言わないんだな。
ジョジョの命令でアフリカ大陸に派遣される者が気の毒でならないが、替えの服がないAは困っているだろう。天から光が降り注ぎ云々の下りは意味不明だが、代わりの服を贈るのは良い考えだと思う。
｢でもぼく、女の子の服なんて分かりませんよ。トリッシュでも呼んだらどうです？｣
｢トリッシュはヨーロッパツアーの真っ最中です。ネアポリスに戻ってくるのはまだ先ですね｣
｢ああ、そういえば｣
あの後デビューしたトリッシュはすっかり人気歌手だ。ぼくの服をタオル代わりにした強がりな少女は、立派に自分の道を歩んでいる。少なくとも、今は頼ることはできない。
｢ミスタはついさっきAの荷物を探しにボリビアに向かいましたし｣
｢ボリビア行きミスタかよ！？｣
｢何を驚いているんです？ぼくの妹の私服を任せられるのは側近中の側近だけです｣
当然のことのように言うジョジョにどういった言葉を掛ければいいのかわからない。とりあえず、ドンマイミスタ。
｢フーゴ、何も君にあの子の服を選べと言ってる訳じゃあない。今日中にイタリア中...いいや世界中のブランドから服を取り寄せる手配をしてほしいだけです。選ぶのはぼくがやりますから｣
｢そっちの方が無茶ぶりじゃあないですか！？｣
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あさはか金魚(プロフ) - 面白い！こんな面白い作品を作っていただきありがとうございます！！ (2020年8月2日 10時) (
レス) id: bae01be7f3 (このIDを非表示/違反報告)
伯(プロフ) - tamaさん» コメントありがとうございます！最初にコメントくれた方ですよね？ずっと読んでくれていたこと、感謝します。これからも頑張ります！ (2019年11月14日 0時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)
tama(プロフ) - お久しぶりです！31話からもうわくわくでした！頑張って！ (2019年11月12日 20時) (レス) id: 85d88e1cc2 (このIDを非表示/違反報告)
伯(プロフ) - 美琴さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけてなによりです！ハロウィン後半のテーマは『あの人達と一日限りの邂逅』です。もう11月ですがまだハロウィン回は続くので楽しんでいただけると嬉しいです！ (2019年11月12日 1時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)
伯(プロフ) - 幽銀さん» コメントありがとうございます！作者も読んでくださる読者の皆さんがいっぱいしゅき…… (2019年11月12日 1時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伯 | 作成日時：2019年9月3日 4時
