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「ミスタ!」


「ジョルノ!」


やって来たぼくらを見るやいなや、ジョジョは目を輝かせた。対するミスタもぼくにスーツケースを押し付け、足取り軽く歩みよる。ぼくはお前の荷物持ちじゃあないんだが?


「待たせたなジョルノ。……帰りが遅くて心細かったか?」


「まさか。どんな任務であろうと、君は必ず成し遂げて戻ってくる……ぼくはそう信じています」


「そうかそうか、期待に応えられて何よりだぜ」





ジョジョとミスタ、二人は固い信頼で結ばれている。ボスとその娘を巡る一週間を乗り越え生き残った仲なのだ、当然だ。


そして、その旅路に最後まで付いて行けなかったぼくは、ときどき二人との間に溝を感じる。


だから今もこうして、ぼくは再会を喜びあう二人の中に何となく入っていけなくて、一歩下がって眺めている。誰が悪い訳ではないが、きっとこの感覚は一生消えない。



「フーゴ、荷物は君が?」


会話の最中、ふとジョジョがこちらに向かって微笑みかけた。


「………ええ、ミスタに押し付けられまして」


「なるほど、ミスタは後で叱っておきますので、それをこっちへ持って来てくれますか?」


「えーオレ叱られんの!?」


「さあ、フーゴ」


──ぼくが勝手に感じている溝を、軽々と飛び越えてしまって、こちらにおいでと手招きする。



「……はい、ジョジョ。仰せのままに」



そんな貴方だから、ぼくは忠誠を誓ったんだ。







.








「……なあジョルノ、たかだか荷物を受けとるだけで、どうしてそんなに手汗が噴き出る訳?」


「いっ、いや、少し緊張して……この中にAの私物……身を包む服が入っていると思うと……あは、あははははは………ハア、ハア……」




誓ったんだけどなあ…………



「ああミスタ、君はまだAに会っていませんでしたね。彼女はすごく可愛いんです……立てば美少女座れば可憐、歩く姿は世界の宝とは良く言ったものですね。いつかルーブル美術館の一番目立つ場所に肖像画が飾られて全人類が歓喜の涙を流してしまうな……」


「ジョ、ジョルノサン……?」


頭上にハテナマークを3つほど浮かべたミスタはすがるようにぼくを見つめる。そんな顔されてもなあ……



「ああ、兄さんは誇らしいですよA!」



視線を交わす部下達をよそに、我らがボスは恍惚とした表情を浮かべていた。ジョジョ、その顔ちょっと怖いです。

作者より→←19



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あさはか金魚(プロフ) - 面白い!こんな面白い作品を作っていただきありがとうございます!! (2020年8月2日 10時) (レス) id: bae01be7f3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - tamaさん» コメントありがとうございます!最初にコメントくれた方ですよね?ずっと読んでくれていたこと、感謝します。これからも頑張ります! (2019年11月14日 0時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)
tama(プロフ) - お久しぶりです!31話からもうわくわくでした!頑張って! (2019年11月12日 20時) (レス) id: 85d88e1cc2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 美琴さん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけてなによりです!ハロウィン後半のテーマは『あの人達と一日限りの邂逅』です。もう11月ですがまだハロウィン回は続くので楽しんでいただけると嬉しいです! (2019年11月12日 1時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 幽銀さん» コメントありがとうございます!作者も読んでくださる読者の皆さんがいっぱいしゅき…… (2019年11月12日 1時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年9月3日 4時

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