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｢ジョルノ様｣
こんこん、とノックの音と共に現れたのはシーラE。ジョジョを信奉する親衛隊のひとりだ。ぼくにとっては共に麻薬チーム討伐の任務についた仲間だったりもする。
｢シーラE、彼女を部屋まで連れていってくれますか。長旅で疲れているだろうから早く休んでもらいましょう｣
｢ジョルノ様のご命令とあらば｣
そう言うと素早くAに近づき、彼女の荷物を持つ。くいくい、というジェスチャーはついてくるよう促しているらしい。この間ずっと無言。君なあ...
決して悪い奴じゃあないんだが、無愛想なシーラEにAは戸惑っているらしい。それでもアリガトウ(これくらいの日本語は分かる)と感謝を告げるのがいじらしい。
部屋を出ていく前、Aはくるりと振り替えってお辞儀した。どうして日本人はこうもぺこぺこするのだろう？
｢......ニイサン、マタ｣
ぼくには分からない言語で何かを囁いたのを最後に、パタンと扉が閉められた。
部屋にはぼくとジョジョが残される。彼が大切に飾ってあるジッパーを模した飾りと花が、窓から入ってくる風に揺れていた。
｢やれやれ、愛想がないなシーラEの奴は。ねえジョジョ...ジョジョ？｣
返事がない。Aが退出してからずっと、両手を口の前で組みじっと目を伏せている。
｢あの...どうしたんです？｣
｢か....｣
｢か？｣
｢かわ...｣
｢...川？｣
川がどうしたんだろう。
怪訝に思っていると、なんということだろう、ジョジョがガンッ！と頭を机にぶつけた。
｢かわいい......！！！！｣
ガンッ！！
｢聞きましたフーゴ？あの子ぼくのことにいさんって呼んだんだ｣
ガンッッ！！！
｢にいさんですよ！？十数年生きてきて初めて出会ったぼくをにいさんと！！｣
ガンッッッ！！！！
｢ぼくの妹かわいいWRYYYYYYYYYY！！！！！｣
ガンッ！ガンッ！！ガンッ！！！
｢じょ、ジョルノ......？｣
──ジョジョと呼んでくれ、と頼まれたのは、どうしても一歩が踏み出せずうずくまっていたぼくに、彼が半歩歩みよってくれた時だ。そのことを忘れないよう、ぼくは彼をジョジョと呼ぶ。
だが、咄嗟に口から飛び出たのは彼の本名で。
いつだって冷静沈着な敬愛する上司の、奇声を挙げながら机に向かってヘドバンする最高にハイな姿。
ぼくは完全に混乱していた。
こんな感情、あの波止場に置いていかれた時以来かもしれない。助けてブチャラティ
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あさはか金魚(プロフ) - 面白い！こんな面白い作品を作っていただきありがとうございます！！ (2020年8月2日 10時) (
レス) id: bae01be7f3 (このIDを非表示/違反報告)
伯(プロフ) - tamaさん» コメントありがとうございます！最初にコメントくれた方ですよね？ずっと読んでくれていたこと、感謝します。これからも頑張ります！ (2019年11月14日 0時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)
tama(プロフ) - お久しぶりです！31話からもうわくわくでした！頑張って！ (2019年11月12日 20時) (レス) id: 85d88e1cc2 (このIDを非表示/違反報告)
伯(プロフ) - 美琴さん» コメントありがとうございます！楽しんでいただけてなによりです！ハロウィン後半のテーマは『あの人達と一日限りの邂逅』です。もう11月ですがまだハロウィン回は続くので楽しんでいただけると嬉しいです！ (2019年11月12日 1時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)
伯(プロフ) - 幽銀さん» コメントありがとうございます！作者も読んでくださる読者の皆さんがいっぱいしゅき…… (2019年11月12日 1時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：伯 | 作成日時：2019年9月3日 4時
