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「あら、兄さん!」


一触即発の状況の中、ガチャ、と扉が開く。Aがひょっこりと顔を出したのだ。ぼくとジョジョの顔を交互に見て、目を白黒させる。


「帰って来てるなら教えてくれれば良いのに。びっくりするじゃあないですか」


さっきのぼくと同じようなことを言うAに、ジョジョは呆気に取られ立ち尽くす。


「...A」


しばらくそうやって放心していたが我に返るとAの方を向いた。


「男はみんな狼です」


「はい?」


唐突かつ意味不明な発言に困惑するA。しかしジョジョは真剣な表情で続ける。



「いいかいA、世間じゃあフーゴのような一見紳士的な優男がキレると手に負えないDV常習犯なのはよくあることなんです。許してください...なんて愁傷に謝ってきても忘れた頃に同じことを繰り返す、そういう生き物がこの世にはわんさか居るんだ」


「でぃーぶい...」


ちらりとぼくを見るA。その目には若干の怯えが浮かんでいる気がした。さっと血の気が引く。


「おいジョルノッ!変なこと言ってんじゃあないぞッ!?」


思わず彼の本名を呼び怒鳴る。DVだって?ぼくはキレて暴力を振るったことなんて......そこそこあるな...


「君は黙っててッ!...ともかくA、兄さん以外の男の人を部屋に上げちゃあいけません。ほっぺたにフォーク刺されますよ」


「この人さらっと自分は除外したぞ...!」


「いやフーゴ、君が無理やりAの部屋に上がりこんだのか...!?この狼!ムッツリ!服穴だらけッ!」


「服は関係ないだろう服は!前から思ってましたけど最近のあんた頭イカれてんじゃあないかッ!?」


「関係ありますよそんな服ムッツリスケベしか着ないだろう!ところで君、それ着るために下着Tバックって本当か!?」


「ア"ア"ッ!?【翻訳不可能な非常に乱暴なスラング】ッ!!!【翻訳不可能な非常に乱暴なスラング】〜!!!」


「あ、あのぉ...」


自分に語りかけられる日本語はともかく、ぼくとジョジョの間で交わされる早口のイタリア語(と翻訳不可能な非常に乱暴なスラング)はまだ彼女には聞き取れなかっただろう。

自分そっちのけで言い争うぼくらに、Aは悲しそうに眉をひそめると、大きく息を吸い込み──




「二人とも...Stai zitto(黙って)!!」

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あさはか金魚(プロフ) - 面白い!こんな面白い作品を作っていただきありがとうございます!! (2020年8月2日 10時) (レス) id: bae01be7f3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - tamaさん» コメントありがとうございます!最初にコメントくれた方ですよね?ずっと読んでくれていたこと、感謝します。これからも頑張ります! (2019年11月14日 0時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)
tama(プロフ) - お久しぶりです!31話からもうわくわくでした!頑張って! (2019年11月12日 20時) (レス) id: 85d88e1cc2 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 美琴さん» コメントありがとうございます!楽しんでいただけてなによりです!ハロウィン後半のテーマは『あの人達と一日限りの邂逅』です。もう11月ですがまだハロウィン回は続くので楽しんでいただけると嬉しいです! (2019年11月12日 1時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 幽銀さん» コメントありがとうございます!作者も読んでくださる読者の皆さんがいっぱいしゅき…… (2019年11月12日 1時) (レス) id: bb5d92349b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2019年9月3日 4時

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