魔法少女になりたい【S.Daisuke】 (ページ1)

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自称大魔法使いページ1

このご時世Fラン大卒の私は大した会社に入れるわけなく見事にブラック企業に入社した

入社したての頃はがむしゃらに頑張っていたけどアラサーにもなると流石に疲れた

『もういっそのこと魔法少女になりたーい！』

こんなこと言っても無駄ってわかってるけど願うだけならタダだしね

｢その願い叶えてあげよっか？｣

｢この大魔法使いのサクマさんが！｣

『やばいやつきたんだけど』

サクマさんとやらはいかにも魔法使いですという格好をして私を見下ろしていた

｢いやいやビルの屋上で魔法少女になりたーい！って叫んでんのもなかなかやばいからね！｣

お母さんが言ってたけどやばい人が現れたらとにかく早く逃げるべし！

『ほんとすいませーん！』

｢あっ！ちょっとお姉さん！｣

それからここ5年くらい出したことの無いスピードで家へ帰った

『ただいまー』

実家にいた頃のくせで今でもただいまと言ってしまう、返事がないから虚しいだけだけど

｢おっかえり～！｣

聞こえるはずのない声が聞こえばっと顔を上げると

『え！なんでいんの！』

さっきのコスプレ野郎が立っていた