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入学式が始まり、A組から順に体育館に入っていく。
花浦学園の入学式は特殊で、全校生徒が出席する。
そして、入学式の場でその年の生徒会長と生徒会役員が発表されるのだ。
花浦学園の入学式のメインはあくまでも生徒会についての事のため、保護者が呼ばれることもほとんど無い。
そうしているうちに、1年D組までが入場し、席に着いた。
「新入生の皆様、ご入学おめでとうございます。」
その一言から、入学式は進んでいき、遂にメインの生徒会役員発表になった。
生徒会役員は副会長に任命された人から発表される。
どんな人が生徒会役員なのかワクワクしながら舞台を見ていると、小柄だが綺麗な顔をした男子生徒がやってきた。
「これより、今年度の生徒会役員を発表します。
今年度の生徒会副会長になりました、2年の浦田わたるです。」
彼がそう言った時、2、3年生の女子生徒達から「キャー！」という黄色い歓声が聞こえてきた。
綺麗な顔をしているし、ファンクラブ的なものがあるのかもしれない。と心の中で納得しておいた。
そんな歓声を受けていたが、まるで聞こえていないかのようにスルーして、続けた。
「続いて、生徒会会計、2年月崎志麻。」
そう言われて、舞台の上にこれまた綺麗な顔をした男子生徒が入ってきた。
そんな彼に、先程より少し大きい歓声が浴びせられる。
彼はその歓声に向けて軽く手を振る。
そしたら、今度は1年生な所からも歓声が聞こえてきた。
…イケメンってすごい
「生徒会書記、1年折原千羅」
…1年！？
生徒会役員って1年生でもなるんだ…
私がそう考えていると、金髪ですらっとしたイケメンがやってきた。
イケメンばっかりだなぁ…
「生徒会庶務、1年坂田明」
そうして入ってきたのは人懐っこい笑みを浮かべたどこか幼さが残る男子生徒。
そしてまた彼もイケメン。
生徒会役員はイケメンしかなれないのか…
ここまでイケメンばかりだと、生徒会長にも期待してしまう。
「そして、生徒会長は…
…え？
その言葉と同時に私の姿が舞台上にあるスクリーンに映る。
しかし、そんな私は気にしないとでも言うように浦田さんは続ける。
「なお、今年度の生徒会長の花はチューベローズ。」
チューベローズ…。
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作者名：な | 作成日時：2023年3月18日 5時
