3-1 保健室事件 ページ12
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初めての生徒会で色々なことがあった次の日。
今日からは通常授業も始まり、仮にも生徒会長である私は忙しくなる(らしい)。
昨日は初対面なのにも関わらず、浦田先輩に対してキツく当たりすぎてしまった。
今日の放課後に謝ろ…
そんな考え事をしながら歩いていると、後ろから私を呼ぶ声がした。
「お〜い！Aちゃ〜ん！！」
振り返ってみると、小さな体で私に向かって手を振りながら走ってくるくろちゃんがいた。
私もそこで立ち止まって、くろちゃんに手を振る。
ようやく私に追いついたくろちゃんは、肩で息をしながら「おはよう」と言った。
「態々そんなに走らなくても良かったのに。」
「Aちゃん見つけたら嬉しくなってもうて。」
「えへへ」と笑うくろちゃんがとっても可愛くて、つい頭を撫でてしまった。
嫌がられるかな、とも思ったけれど、くろちゃんは私の手に擦り寄ってきた。
「…猫みたい」
言ってからハッとした。
もし不快にさせてしまったらどうしよう…。
「よく言われる！
それより、はよ行こ？2日目から遅刻してまうで！」
くろちゃんはそう言ってにぱっと笑った。
可愛い…
私がくろちゃんの可愛さに悶えていると、後ろからポンと肩を叩かれた。
「おはよ、Aちゃん。」
「わ、センラくんか…おはよう。」
突然話しかけられてつい驚いてしまった。
そんな私をみて、センラくんは「わ、ってなんやねん」とか言って笑ってる。
立ち話をして中々来ない私達に気がついたのか、くろちゃんが戻ってきた。
「あれ、センラ氏やん。」
「お、くろちゃん。」
「2人とも知り合い…？」
私がそう問えば、くろちゃんが答えてくれた。
「小等部からの付き合いなんよ。
今の生徒会のメンバーは、皆小等部からおるで。」
くろちゃんのその言葉に今までの話の辻褄があった気がする。
1年生なのに生徒会に選ばれたり、生徒会室の仕組みを知っていたり、初日からお仕事があったり。
それは今まで花浦学園に通ってきていたからだったのか。
「あれ、言っとらんかった？」
「うん…言われてない。」
そう言う私に、センラくんは「ごめんな〜」と軽く謝って私たちの前を歩き出した。
「ほら、生徒会長が早速遅刻だなんていけませんね？」
そう言って振り返るセンラくんがあまりにもかっこよくて、ついみとれてしまう。
「…っ今行く！」
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作者名：な | 作成日時：2023年3月18日 5時
