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❄︎ ページ47
—Tatsuya side—
時計の針が刻々と真上に近づく
自分で彼女に言った事を
今になって思い返して苦しくなった
Aはなんにも悪くないのに
俺が適当にあしらって怒らせて
そりゃ嫌にもなる筈だ
A､帰って来る…よな?
いまさら冷静になって
彼女の言葉が胸に突き刺さる
「……ホント俺､何してんだろ」
早くAを探さないと
そう思って立ち上がると同時に
携帯の着信が鳴った
咄嗟に画面を確認する
着信の相手は､
「……あべちゃん?
ごめんだけど俺いま急いでて…
【Aと喧嘩したんでしょ?
いま俺んとこ居るよ】
……ぇ⁇?なんであべちゃんのとこに…
「ごめんあべちゃん､
ほんとありがとう､すぐ行く」
いや､そんな事言ってる場合じゃないし
匿ってくれてたんだよな
【ん､いーから早く来なよ⁇
A寂しがってるしさ〜…
『……ちょっとｯ､うるさい!』
少し遠くで聞こえる
大好きな彼女の声
それが聞けただけで､
ただそれだけで凄く安心した
ちゃんと直接謝って､
それでちゃんと二人でまた笑い合いたくて
電話を切ったら
慌てて家を飛び出した
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作者名：時雨 | 作成日時：2024年1月1日 22時
