言葉の雪解け:Tatsuya.F ページ46
—You side—
「……だからさ〜、
ごめんって言ってんじゃ〜ん」
のらりくらりと適当に躱していく
その態度が気に食わない
「そんな怒んないでよ、
Aもケンカしたくないじゃん?」
沸々と苛立ちが募る
『謝ったから良いでしょ、とか、
そういう事を言ってるんじゃないの』
『もう本当に辰なんて、大っ嫌いッ』
口に出してから
ハッとなって、後悔した
けれど、時既に遅し
彼の眼が冷たく
曇っていくのが分かった
『ごめん、違くて…
「確かに非は俺にあるけどさ、
ソレ言っちゃうのは無しでしょ」
へらへらと緩く笑うのに
その目は笑ってなくて
「そんな簡単に”嫌い”なんて言う奴、
俺も、もう知らねぇわ」
心がいたい
いっそのこと、嫌いって言って
突き放される方がマシだった
でも謝る気なんて更々無い
弾かれたように逃げ出した
———————————
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—?????—
夜が更けてきた頃
小さく電話の着信が鳴る
【は〜い?もしもし…
『今から家行っていい?
マジで話聞いてほしいんだけど』
言い終わらない内に
怒気を含む大きな声が聞こえる
【ふっかは⁇喧嘩しちゃった?】
『……そう、
迷惑だったら断って良いから』
なるほどね、
家には居づらいから帰りたくないと、
【ん〜…、まぁ良っか
話聞くだけだからね⁇】
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作者名:時雨 | 作成日時:2024年1月1日 22時