❄︎ ページ5
「大丈夫?落ち着いた⁇」
あの後Aは安心したのか
声を殺して泣き出してしまった
『…うん』
赤く目を腫らして頷いてみせる
「ん、よかった
A、これいつからだった?」
『…この間辰也と話した時より少し前くらいから……』
やっぱこの前に話そうとして
やめたのはこの事だったか
怖くて言い出せなかったんだろうな
「そっか〜、ごめんな気付いてやれなくて
Aひとりで怖い思いしてたのにな」
そこまで言うと
Aはまた涙を溢してしまう
『…たつや、謝らないで……』
『わたしが…いつも辰也を頼ってばっかで
……ずっとよわい、ままだから、だから』
『悪いのはぜんぶ、ゎたし……
もう泣いてる顔を見たくなくて
卑下してほしくなくて
Aを抱きしめて背中をさする
「なんであなたは
そう全部ひとりで背負おうとすんのよ
俺を頼るのイヤ?」
Aはもっと悲しい顔して
そんな事ないって首を横に振った
「そうだよね、知ってるー
弱いのって全然悪い事じゃないんだよ
弱かったら俺が守ってあげるし、ね?」
とか言って今日は
めちゃくちゃ危なかったから
正直格好つかないんだけど
『ほんとに、辰也やさしすぎて……
「ん⁇やさしすぎて?
あ、ひょっとして惚れ直しちゃった……
そんないつもの冗談を遮って
不意に俺の背中に細い腕が回る
「んぇ⁇!ぇ、Aさん…⁇」
『…だいすき、たつやだいすき』
見れば顔は今まで
見たことないくらいに真っ赤に染まってた
ほんっと、急にそういう事されたら
おれ困っちゃうんだけど
可愛すぎてどうにかなりそう
「それは今初めて知ったわ」
「おれもすきだよ
Aのこと、だいすき」
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作者名:時雨 | 作成日時:2024年1月1日 22時