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❄︎ ページ37
—Ryohei side—
涙を溜めて揺れる瞳
今の彼女は
僕の受け持つ”生徒”じゃないし
彼女は､唯の僕を
こんなにも好いてくれてる､
「Aさん､こっち来て」
なんだ､もうしがらみなんて､何も無いじゃないか
隣に座った彼女を､そっと抱き寄せる
「ありがとうAさん
実はね､僕も一緒だったんだ」
「ずっと､我慢してたんだけどね」
堪えきれなくなった涙を
ぽろぽろ零して腕をまわしてくれる彼女が
愛しくて､嬉しくて､
抱きしめる手に力が入る
『…きょうで､割り切るつもりで来たのに
こんなの聞いてないです､ずるいです』
僕も君がおんなじ想いで
居てくれてたなんて思いもしなかった
こんな幸せ今まで知らなかった
「好きだよ､Aさん」
あどけない彼女の
赤い目を拭う
彼女が柔らかくはにかむ
『わたしも先生が……
「もう､先生じゃないでしょ?
なんて呼んでくれるの⁇」
だんだんと頬が､
耳までもが赤く色づいていく
照れた顔を隠そうとする
彼女の手を握る
『‼︎……先生､いじわる』
だって躊躇う必要なんて
もうどこにも無いからさ
可愛い君をもっと見たいんだよ
「僕さっき言ったよ
素敵な人なんかじゃないって､」
「なんて言おうとしてくれてたの?」
また彼女が
小さく口を開く
『わたしも､
……りょうへいさんが､すきです』
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作者名：時雨 | 作成日時：2024年1月1日 22時
