【SnowMan】淡い雪に絆されて:第3部 (ページ34)

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❄︎ ページ34

—You side—
【……A⁇
やっぱそうだ､久しぶり】

すっかり日が陰る大学からの帰り道

声の主を一目見て思い出す

少し垢抜けても変わらない
高校時代の最悪な元彼

出来るなら無視して帰りたい､けど

【高校の時はほんとに悪かった】

私を見つけるなり
強く掴む手を振り解けない

【でも､もうお互い大人だし
またオレと付き合わない⁇】

大人だから､ってなんなの
どうせまた体だけが目的なんでしょ

『私は貴方と付き合うなんて
もう二度と御免なの､さよなら』

なんとか彼を振り切って
逃げようと背中を向けるも

後ろから抱き付かれ
蘇るトラウマに背筋が凍る

『ちょっと‼︎やめてってば!』

こわい､気持ち悪い
誰でもいいから､誰か助けて

堪らずそう思った矢先
強引に彼を引き離して

誰かが私を庇う

「彼女､僕の生徒なんだけど､
何かトラブルですか?」

優しくて安心できる
いつかまた聞きたかった声

ハッと顔を上げた視線の先には

『ぁ､あべ､せんせい…』

体裁の悪くなった彼が去って行く

「怖かったでしょ､大丈夫?」

『は､はい､ありがとうございました
ぇっと､お久しぶりです､先生』

柔らかく微笑む変わらない優しさに
あの日の想いがまた湧き上がる

「本当に久しぶりだね､Aさん」

「もう暗くて危ないし送ってくよ
久々に色々話したいしね」

今なら､この想いは叶いますか先生