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桜の遅咲き:Ryohei.A ページ33
今回のお話は1章2・3話目
『彼女になんてなれやしないけれど』
『貴女が生徒じゃなくなったその日には』の続きのお話です
是非､合わせて読んでみてください
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『わたし､せんせいのこと､ずっと……
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—Ryohei side—
見慣れた寝室で目を覚ます
やっぱりゆめ､だよね
君が学び舎を巣立ってから
三度目の春をもうすぐ迎える
長い三年間､
僕はずっと君を忘れられないまま
あんな身に覚えの無い理想を夢に見て
「Aさん､元気にしてるかな」
また苦しい想いを孕ませる
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《あべちゃん先生､さよなら〜》
「あんまり緩く呼んでると指導入れるよ〜
まぁ､冗談なんだけど」
「また明日ね､さようなら」
刻々と空が暗くなっていく
朝の夢が頭から離れなくて
どうにもモヤモヤしてしまうから
なんとなく今日はいつもより
遠回りして家までの帰り道を歩く
ぶらぶら歩いてたら
案外簡単に会えちゃったりして
なんて心の奥底で思ってしまう辺りが
君を忘れられそうに無いから困るんだ
……ちょっと､やめてってば!』
不意に少し遠くに聞こえる痴話喧嘩
野次馬かなとは思いつつ
向こうに目をやって息を呑んだ
そして声の方へと走り出す
「彼女､僕の生徒なんだけど､
何かトラブルですか?」
泣きそうな目で訴える彼女を
僕はずっと探し続けていたから
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作者名：時雨 | 作成日時：2024年1月1日 22時
