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❄︎ ページ12
—Ryohei side—
『じゃあ亮平くんちゅーして?
…そしたらいっしょにかえる』
まいったなぁ
ただでさえお酒でふわふわしてるのに
キスまで強請られるとか
今まで控えめにしてた皺寄せがきたか
「お家帰ってからじゃダメ…⁇」
周りの野次も増えてきて
流石にここでするのはちょっとよくない
『ヤダいまがいいの!』
けど意固地になっちゃって
俺がどう言っても無駄みたいだし
仕方ないなぁ
「……少し目閉じて?」
嬉しそうにきゅっと目を瞑るAちゃん
悔しいけどやっぱり可愛い
少し間をあけて
ちょこっと意地悪に
甘くて溶けちゃうようなキスをして
「…続きはあとでね」
Aちゃんにだけ聞こえるように囁く
「これで一緒に帰ってくれる⁇」
まだ唖然と目をぱちくりさせる
彼女に問いかける
『び､びっくりして立てない……』
掠れた声に涙目で見つめられる
やり過ぎたのは俺だし､
悪いとは思ってるけど
本気でするって思わなかったんだな
「もう人前でこういう冗談言わないでね
ほら､ちゃんとつかまってて」
愛おしい彼女の前では
もう周りの野次やら歓声やらなんかは
ちっとも気にならなくなって
俺の可愛いお姫様を抱き上げて
ふたり一緒に逃げ出した
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作者名：時雨 | 作成日時：2024年1月1日 22時
