【コンパス】私だけのヒーロー:第2部

おとぎ話の世界を彷徨ってみた1・リクエスト ページ29

桜華忠臣/赤ずきん
｢狼の我を前にして平然としてる奴は始めてだ｡おい小娘､お前は我が怖くは無いのか?お前なんぞその気になれば我はどうとでも出来るのだぞ｣
森の中で貴女と出会した彼は自分に恐怖を抱く様子の無い貴女をどこか不思議そうに見つめ訝しげに問い掛けます
怖がるどころか寧ろにこやかに彼に接する貴女に彼はますます不思議に思うと同時に少しずつ貴女への興味が湧いてきたようです
｢それよりこんな森の中で何をしていたんだ､何も面白い所などでは無いぞ｡……道草か､暇をしているならもう少し付き合え｡此処に一人では退屈で仕方が無い｣
立ち話もそこそこに貴女が踵を返して歩き出そうとするのをどこか寂しそうな彼に袖を引かれ止められます

13†サーティーン†/人魚姫
｢そのナイフでオレを刺せばお前の声も､お前自身も助かるんだろ⁇簡単な話じゃねぇか､俺はAが幸せならぶっちゃけ自分の事はどうだって言い訳だしな｣
自分が助かる為には彼の命を奪う他無く終極の選択を迫られ貴女が動揺し焦りを募らせていると彼は微笑みを向けてナイフを握る貴女の手を優しく包み込みます
ですが貴女は彼を殺すことなどできる筈もなく勢いのままにナイフを海の中へと投げ捨てて彼に縋るように抱き締めます
｢お前ッ⁉︎……ッたくお前は本当にどこまでもバカな奴だな｡このままだとお前も死んじまうってのに怖くねぇのかね……まぁ､Aと二人でいれば怖くもないだろうな｣
貴女の突飛な行為に始めは驚きを見せますがすぐに何気無いように話し彼も貴女の肩を抱き寄せます

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