❄︎ ページ31
『ｯせんぱい!佐久間先輩‼︎』
しばらく走ったところで
必死にこっちに向かって走るAを見つけた
その後ろから相手が喚き散らしながら
Aを追いかけていた
「A!よく頑張ったね､えらいよ
後は俺に任せて､もう大丈夫」
【おい､テメェ誰だよ!邪魔だ退け‼︎】
ったく五月蝿いったらない
Aが居るからなるべく穏便に片付けたかったけど
いざ目の前に相手するとやっぱそうはいかないな
「A､すぐに終わらせるから
ちょっとだけ目と耳塞いで待っててくれる?
そしたらまた一緒に帰ろうか」
【シカトしてんじゃねぇぞ､テメェ誰なんだよ‼︎】
胸ぐら掴まれるなんてアニメだけだと思ったわ
でも完全に非があるのは向こうだし
俺は手を振り解いて構わず一蹴した
お前がAにした仕打ちに比べりゃ
こんなの軽いモンでしょ
「俺が誰かなんてどうでもいいだろ
お前A Aって言うけど
本当にAに好かれてるなんて思ってるわけ?
自覚あるのか無いのかは知らないけど
お前がやってた事ストーカーと一緒
電話の中身全部録音してあるし､DMのスクショだってある
これ以上A困らすなら社会的に終わらす」
そこまで言ってやっと相手は俺を睨み付けながらも
二､三悪態を吐いて逃げていった
——————————————
「ごめんねA､もうアイツ逃げてったよ
多分これで大丈夫だとは思うけど
まだなんかされたりしたららすぐ教えて……
『せんぱいｯ!ぁ､ありがとう…ございました
ずっとこわくって､先輩が来てくれてよかった…』
よっぽど怖かったんだろうな
Aは震える手で俺に抱きついて
声を上げて泣き出しちゃった
「怖かったでしょ､本当によく頑張ったねぇ
一緒に帰ろっか」
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作者名：時雨 | 作成日時：2023年8月18日 0時
