じゃあな！ ページ6
場「さて、俺はそろそろ行かねぇとな。ブラック、俺の分までアイツのことそばで支えてやってくれよ」
しばらく話した後場地さんはそういうと立ち上がり歩き出す。
『えっ、どういう意味ですか場地さん？というかこの人は結局誰なんですか？』
場「お前が一番よく知ってる奴だよ。今もお前の帰りを待ってる」
『ますます意味がわかりません！ちょっと待ってくださいよ場地さん！』
私が場地さんの手を摘もうとした瞬間、その手は場地さんの手を握ることなく空をきった。
『え、なんで…？』
場「なんでって…俺はもう"死んでる"からな」
そうだ、場地さんは自分で…
そのことをすっかり忘れていた。彼の存在があまりに大きくて死んでしまったという実感がない。
場「俺の身体はもうこの世にはねぇ。今俺が存在しているのは魂が俺のカタチを真似しているだけらしい。だからお前が俺に触れることは出来ねぇ」
『そんな…』
場「大丈夫だ。魂になってもお前のことちゃーんと見てるからよぉ！俺はお前達と同じ世界ではもう一緒に生きていけねぇ。だからお前にこれを託す」
その声と同時に今まで散らばっていた写真が一気に収束して私の中に流れ込んできた。
『きゃっ！』
(？「俺敬語使えねぇんだよセンパイ」
場「〜〜、ペヤング好き？」
？「場地さん！」)
さっきまで写真だったものが動画のようになって私の中に流れ込んでくる。それはまるで誰かの記憶を垣間見ているような感じだ。
『なんなんですかこれ…』
場「俺が持っているアイツとの記憶だ」
『場地さんの記憶…』
場地さんの記憶を見ているとだんだんモヤのかかった
少年の顔がはっきりとしてくる。
その顔を私はよく知っていた。
『松野…くん？』
松野君だ。つまり、場地さんの記憶ってことは私が知らない頃の松野君ってこと。
場「アイツいっつも俺の後ついて来て、たまに面倒くせぇって思うこともあったけど、頼もしくもあったんだ。俺が死んでアイツは一人で壱番隊を引っ張っていけるか心配だ。
だから俺の最後の願いを叶えてくれ。千冬のこと助けてやってくれよな、A」
『…っ、…はい！』
場「ありがとな」
その言葉とともに場地さんの身体がみるみる薄くなっていく。
『場地さん！』
場「俺はお前らに会えて幸せだったぜ！だから…幸せになれよ」
『待って…まだ、まだいかないで！』
場「じゃあな！」
『場地さああん！！！』
場地さんが笑顔と共に辺りに眩い光が灯った。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 286人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
四季(プロフ) - 凛華さん» コメント、そして応援してくださりありがとうございます！主人公ちゃんは少し天然系の子にしようかなっと思っていたので「好き」と言ってくださり嬉しいです！！これからも面白い話が展開できるように頑張ります。 (2021年10月26日 23時) (
レス) @page46 id: 1517a615a4 (このIDを非表示/違反報告)
凛華(プロフ) - 夢主って天然なのか...... そんなところも好きです。作者様のこともずっと応援してます。 (2021年10月26日 22時) (レス) @page46 id: d9f5c52c29 (このIDを非表示/違反報告)
四季(プロフ) - 凛華さん» 完全無欠だと千冬の男が廃ってしまうので彼の前だけは普通の女の子にしてみました！読んでくださる方が主人公ちゃんをどう思っているのかお聞きする機会がないので具体的に聞けて嬉しいです！ (2021年9月27日 21時) (レス) id: 1517a615a4 (このIDを非表示/違反報告)
凛華(プロフ) - 四季さん» 主人公に惚れたポイントは、芯が強い所、千冬には弱い所です。完全無欠でない方が逆に惹かれます。 (2021年9月27日 13時) (レス) id: 77a139d8e9 (このIDを非表示/違反報告)
四季(プロフ) - 凛華さん» 凛華さんコメントありがとうございます。東リベの小説が沢山ある中私の作品が一番好きだと言ってくださり、嬉しすぎて号泣してしまいました(´；ω；`)男勝りなところもある主人公ちゃんをこれからも応援してあげてください！ (2021年9月26日 13時) (レス) id: 1517a615a4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：四季 | 作成日時：2021年9月6日 12時
