過去 ページ4
千冬side
新條さんの病室に移動したからしばらくすると扉からさっき会った男性が入ってきた。
師「おや、まだ付き添ってくれていたんだね。ありがとう」
その人は俺の近くに座る。
師「はじめまして、黒川樹貴と申します。この子の師範であり、"一応"父親です」
千「はじめまして、松野千冬といいます」
師「松野…！あなたが松野君でしたか！」
俺の名前を聞いて黒川さんが驚いたように話しかけてきた。
千「俺のこと知っているんですか？」
師「はい。Aの話によく出てくるので気になっていたんです。会えて良かった」
それから黒川さんは新條さんについての事を沢山俺に教えてくれた。そして、その中でも一番気になったのは…
千「…両親は亡くなられてたんすか」
師「はい。この子の両親はまだ幼かったこの子を残して亡くなりました。私がこの子を引き取ったのは小学3年生頃でした。それ以前は父方の祖父に育てられていたそうなのですが…」
黒川さんの表情がくもる。
千「大丈夫っすか？」
師「…松野君はなぜこの子が夏でも長袖ばかり着ていたか知っていますか？」
千「いえ、知りません」
師「…君には一応話しておきましょう。」
それから黒川さんは新條さんの過去について教えてくれた。祖父の家で育てられていた期間、虐待を受けていた事。その傷が今でも身体の至る所にあり、それを隠すために長袖を着用していたという事を。
師「当時は今ほど幼児虐待に対しての対策は徹底されていなかったため、発見するのが遅くなっていました。
この子の祖父はもともと剣術や武術を教えている者だったのでこの子も教わっていたのでしょう。しかし、痛みに慣れるための稽古と称して刃物で長時間斬りつけられても耐えるなどの虐待を受けていたそうです」
千「ひでぇ…」
師「虐待が発覚し、祖父は警察に捕まりました。その事を聞いた私は彼女を引き取ることを決め、会いに行きました。しかしその頃のこの子は人並外れた力を持つことと引き換えに感情を持たない子に育っていました」
千「そうだったんすね」
師「時間はかかりましたが、少しずつこの子は感情を取り戻していきました。…そして、君に出会ってこの子はさらに明るくなりました」
千「俺？」
師「毎日楽しそうに話をするこの子を見て、君の存在がなくてはならないものになったと感じました。この子の支えになってくれてありがとう」
黒川さんはまるで本当の父親のような顔で俺を見つめていた。
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四季(プロフ) - 凛華さん» コメント、そして応援してくださりありがとうございます！主人公ちゃんは少し天然系の子にしようかなっと思っていたので「好き」と言ってくださり嬉しいです！！これからも面白い話が展開できるように頑張ります。 (2021年10月26日 23時) (
レス) @page46 id: 1517a615a4 (このIDを非表示/違反報告)
凛華(プロフ) - 夢主って天然なのか...... そんなところも好きです。作者様のこともずっと応援してます。 (2021年10月26日 22時) (レス) @page46 id: d9f5c52c29 (このIDを非表示/違反報告)
四季(プロフ) - 凛華さん» 完全無欠だと千冬の男が廃ってしまうので彼の前だけは普通の女の子にしてみました！読んでくださる方が主人公ちゃんをどう思っているのかお聞きする機会がないので具体的に聞けて嬉しいです！ (2021年9月27日 21時) (レス) id: 1517a615a4 (このIDを非表示/違反報告)
凛華(プロフ) - 四季さん» 主人公に惚れたポイントは、芯が強い所、千冬には弱い所です。完全無欠でない方が逆に惹かれます。 (2021年9月27日 13時) (レス) id: 77a139d8e9 (このIDを非表示/違反報告)
四季(プロフ) - 凛華さん» 凛華さんコメントありがとうございます。東リベの小説が沢山ある中私の作品が一番好きだと言ってくださり、嬉しすぎて号泣してしまいました(´；ω；`)男勝りなところもある主人公ちゃんをこれからも応援してあげてください！ (2021年9月26日 13時) (レス) id: 1517a615a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：四季 | 作成日時：2021年9月6日 12時
