What I lost.【爆豪勝己】 (ページ25)

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twenty-second ページ25

「潤、昼食べにいくよ。」

「潤さん？」

「ふぉ？…あ、うん？何？」

気づいたらヤオモモと響香が机越しに私の前に立っている。
何しにきたんだろう、なんて思いながら2人の顔を交互に見ていると、2人同時にため息をひとつ。めっちゃシンクロしてんじゃねーか…。

「昼休み、お昼ご飯食べに行くの。」

「え、まじか。…今2限と3限の間の休み時間の気持ちなんだけど。」

「…ほら、行きますわよ！席がなくなってしまいます！」

そう言われ、3人で食堂へと入っていく。久しぶりにランチラッシュの美味しいご飯が食べられると思うと、足取りが軽くなった。

だがしかし、食堂はほぼ満席状態。
先にご飯取りに行った時点で分かってはいたが、お腹が空いていたんだからご飯の方につられるのは仕方ないだろう。

「…なんかごめん。」

「いや、潤なにもしてないじゃん。」

「してないけど謝りたかったから。」

「あら、あそこ空いてますわよ？」

ヤオモモの指さす方向に目をやると、丁度3席空いていた。流石ヤオモモだ、見つけるのが早い。

私は一直線にその席に向かって走る。
言っておくが電車で一刻も早く座りたくて走るおばさんとは一緒にはしないで欲しい。何故っていつもはこんなことしないから、今お腹すきすぎてるだけだから。

走るとは言ったがご飯を落とさない程度の速さだ。それから席に着き、前を向くと斜め右に座る上鳴とバッチリ目があった。とりあえず手をヒラヒラと振ってあげた。

「上鳴じゃん、瀬呂も。ここ座ってい？ってか座るわ。…そのプリン美味しそう、頂戴。」

「会った瞬間それかよ！なんかひどくね！？というかお前アップルパイあるからいーじゃん！」

「よくない、本当はプリンも食べたかったし。」

そう言って私が上鳴のプリンに手を伸ばしたのと同時に響香が上鳴の隣に座った。そんな響香を見て、上鳴が驚いて硬直している間に、プリンは私のものになった。

「あ、お隣失礼しま……失礼しました。
…うぉっ！」

「座れやカス。ここ以外に空いてる席ねーだろーが。」

立ち上がろうとすると、隣に座っていた人に腕を引っ張られて無理矢理其処に座らせられてしまった。結構勢いよく座ったせいでけつが痛い。

「…、いただきます。」