What I lost.【爆豪勝己】 (ページ3)

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「身体には異常ないわね。いやぁ、若いと回復が早いものねぇ。」

「ありがとうございます。」

「他に、気になることはある？」

気になること、といえばある。
しかしこれは担当医のこの人に相談するようなことではない気がした。しかし、彼女が「何でも聞いて！」という眼差しで私を見てくるものなので、関係無いが話だけでもしておくことにした。

「…えっと、身体のことじゃないんですけどね、起きたら知らない男の子が私の手を握って寝てたんです。」

おずおずと聞いてみると、担当医のお姉さんは「知らない男の子？」と首を傾げた。

「そう言えば、よくお見舞いにくる少年はいたけど、あの子かしら…？
あれ、知り合いじゃないの？……んー。」

多分私が変なことを言ったみたいだったから、今の発言は取り消しした。恥ずかしい。やっぱり夢だ、さっきは変な夢でも見ていたんだ。

「しばらくは安静にしておいてね、多分あと1週間ちょっとで退院出来るだろうけど。」

「はい、ありがとうございました。」

個室の扉が閉まると同時に、また私は身体を横にして目を閉じる。
しかし眠らせてはくれなかった、凄い勢いでクラスメイト達が押し寄せてきた。なんだか、すごく懐かしい気がする。そりゃそうだ。私は眠っていたのだから。