What I lost.【爆豪勝己】 (ページ19)

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見ている感じ私と彼は凄く仲良しっぽくて、幼稚園も小学校も同じだった感じだ。
嗚呼、本当に死ぬほど申し訳ない。これは何としてでも彼の記憶を取り戻したい、取り戻さねば。

「あ、デクだ。」

次のページを開くと、泣いているデクと、その頭を撫でる私の写真が目に入った。
多分これは小学校1年生の時の写真だ。こんなシーンまで撮っていたなんて気持ち悪いな、あの女。

しかし何故デクはあの時泣いていたのだろう。全く思い出すことができない。まぁ、昔のことなので仕方がないのか。

そういえば彼奴の本名はいずくだよな。…いつからデクなんて呼ばれるようになったんだっけ。

そんなことを考えながら本来の目的を忘れ、アルバムの写真を見るのを楽しんでしまっていた。本来の目的というのは、彼、爆豪くんとの思い出の写真を見て記憶のヒントが何か見つかるかと探しに来たのだ。
案の定何のヒントも得られなかった。

しかし、１つわかったことがある。

デクと爆豪くんは猛烈に仲が悪い、ということ。

この前響香が言っていた、轟くんとも仲が悪いのが事実ならば爆豪くんは多分、友達を作るのがクッソ下手くそな奴なのだろう。

「よくそんな奴と仲良くなれたな、私。褒め称えてあげたいよ。」

パタンと閉じられたアルバムを机の上に置き、そう呟きながら部屋から出る。それから部屋に鍵をかけて1階に繋がる階段を、ゆっくりと下りていく。
母さんの趣味なのか、うちの階段は螺旋階段になっている。ぐるぐる回るので正直面倒だ。