What I lost.【爆豪勝己】 (ページ13)

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eleventh ページ13

「…ということ。」

「それで爆豪について聞きたいと。」

「そうですとも。」

今まで警察から聞いたこと、自分で推測したことを彼に全部話した。切島は「成る程なぁ」と独り言のように言ってからコクコクとうなづいた。釣られて私もコクコクとうなづいてしまう。

「本人にそのこと言った方が早くねぇか？」

なんてことを言うんだ。さっきの話を聞いていなかったとでも言うのか、それとも記憶喪失なのか。
本人なんかに言える訳がないだろう、言えと言われても私は絶対言うつもりはない。

「それはよくない。恥ずかしくて死ぬ。」

「漢なら恥ずかしがってる暇はねぇ！」

「いや、私は女だ。」

とりあえず、“バクゴーカツキ”について色々教えてもらった。まず名前の漢字、それから口が悪いだとか、成績が良くて個性も強いだとか、他にも色々と親切に教えてくれた。やっぱり切島はいい奴だ。

しかし何よりも驚いたのが、彼…爆豪くんが私の幼馴染であったこと。ということは爆豪くんとデクも幼馴染、ということである。

「ありがとうね、切島。」

「こんくらいどうってことねぇよ。」

「あ、私が爆豪くんの記憶がないことは内緒に。いずれ話すことになるかもだけど…。あ、爆豪くんと轟くんには絶対に死んでも言わないで、まじで。」

「お、おう。わかった、漢の約束だ！」

「だから私は女だって。」

此奴は私のことを女として見ていない、だからこそ接するのが楽だ。まぁA組の男子はほとんど全員接しやすいのだが。

「なんか喉乾かね？俺買ってくるわ。」

「コーラ。」

「病人がコーラは駄目だろ！」

「チッ。じゃあミルクティーでおなしゃす。」

切島がドアをかけた瞬間、

クラスメイトが数人。

口をあんぐり開けて

そこに立っていた。