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荒北「バッ!……だったら悪りィかよ。」
図星だったのか、いつもは見せないような恥ずかしそうな顔をした。
それを見て、有紗はさらに嬉しそうに、ニヤニヤとする。
有紗「いやぁ、悪いなんて言ってないじゃん。頑張れよ、レイちゃんはライバルが多いからなぁ。あの子、ファンクラブとかもあるしね。」
そう、天龍レイは箱学で唯一大規模なファンクラブがある女子生徒である。去年も、下級生からの人気が多かったため、きっと今年もファンの人数が増えるだろうと予想されている。
しかしレイ自身、ファンクラブがあることを知らない。知っていたとしても知らないふりをしているのであろう。彼女は人気だとか、そういうものに興味がないのだ。
荒北「そんくらい知ってるっての。つーかもう、…唾つけてンし。」
有紗「え、何?何したん?無理やりチュー!?さっすが手が早い。レイの唇柔らかいっしょ?」
ヒューと口笛を吹き、有紗は荒北の背中をバンッと叩く。地味に痛い、荒北は思わず声を上げそうになったが我慢した。
荒北の顔はだんだんとリンゴのように真っ赤に染まってゆく。
荒北「んなわけあるかァ!
…………告っただけだヨ。」
というかなんでコイツはレイの唇の柔らかさを知っているんだ。と荒北はツッコミたかったが今はやめにしておいた。
面倒なことになりそうだから。
有紗「そう叫ぶなって。…成程、んで返事は?」
荒北は嫌そうな顔をしたが、しゃあねぇな、と呟く。ここで答えなくてもいずれか言わされる羽目になると分かっていたからだ。
彼女は情報を得るためには手段を選ばない、そんな奴だ。知りたいこと、欲しいものは何としてでも手に入れる。
だから彼女は裏で「学園の女王」とか呼ばれている。「真の支配者」だとか、「悪魔」だとか呼ばれていたりいなかったり。
内等有紗はとりあえずやばい奴である。
荒北「私も荒北のこと好きだよ。だとヨ。…でも多分アイツの好きは、…「友達としての好きでしょ?」
荒北「人が喋ってんのに被せんなヨ!」
有紗「ごめんて!あの子って変なところで鈍感だよね。………まぁ、レイは……だから。」
荒北「なんか言ったか?」
有紗「なんも言ってないぞ。」
有紗は荒北の肩をポンと叩き、自分の席へと向かう。
荒北「知ってんよ。ンな事くれェ」
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もち米太郎(プロフ) - しおらんさん» コメントありがとうございます!!東堂めっちゃ好きで勢いで作っちゃいました笑行き当たりばったりの思いつきの話なので本当文才ないですけど今後も頑張りますんで今後もよろしくお願いします! (2018年9月11日 6時) (レス) id: 498205eb8a (このIDを非表示/違反報告)
しおらん(プロフ) - 凄く面白いです!荒北も好きだけど東堂かっこいいです!早くくっついてほしい!これからハラハラしそうな予感ですが続き楽しみです!頑張って下さい! (2018年9月10日 13時) (レス) id: 097333551a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もち米 | 作成日時:2018年8月13日 18時