♭個性：17 ページ20
＊
「未来〜！ちょっと助けて〜！」
玄関に入った瞬間だった。
キッチンから母の声が聞こえた。
助けを求めるくらいだからテンパってると思うけど、何で私が帰ってきたのがわかったんだろう。
とりあえず靴を脱いでドアを開ければ、倒れている母親と３枚ほど割れた皿が。
「お母さん、何して…！？」
「高い所にあるお皿を取ろうとしたらバランス崩しちゃって。あはは」
笑っているところを見ると大丈夫そう。
飛び散った破片を踏まないように気をつけながら、母を立ち上がらせる。
ふと母の左手を見たら、何やら赤いものが…
「って手！手から血出してないっ！？」
「あら」
「いや“あら”じゃなくて！」
近くにあったハンドタオルを取り、傷口を押さえるように両手でギュッと握りしめる。
しかしずっとこのままにする訳にはいかない。
「救急箱取ってくるから、お母さんは右手で押さえといて！」
確かリビングにある棚の下の方に入れていた気がする。
救急箱なんて滅多に使わないので心当たりのある場所に向かえば、記憶が正しかった。
中身を確認しても一式揃ってあったので、救急箱を抱えてキッチンに戻る。
そしたら
「あら、未来」
左手にタオルをまかずに皿の破片を掃除している母の姿。
「怪我してるのに何してんの！？」
「それがね〜、もう傷が塞がってるのよ」
「…は？」
のほほんと話す母に、思わず身体が固まってしまった。
そんな簡単に塞がるわけない。
止血に使っていたタオルを見るけど、血も少しというには多すぎるほど染み込んでいる。
母の左手にも血が付着しているのに、何故かつい先程まであった傷が一つもなかった。
…どういうこと？
「他に怪我してるところはないの？」
「ないわよ。もう、びっくりしちゃったわ。未来が救急箱を取りに行ってくれたあたりから全く痛みも感じないの」
「私が…？」
「それにね！さっきより身体が楽になったような気がするのよ〜！ほんと不思議よね」
何が何だかわからなくなってきた。
私が救急箱を取りに行った時には既に傷が塞がっていた。
ということは、それまでに何かが起こったということ。
でもただハンドタオルで止血してたくらいだし。
「そもそも、治癒の“個性”なんて家系にいないしなー…」
私の母は予知、父は復元。
その両方を受け継いだ私。
両方の祖父母も誰も持っていなかったはず。
「……お父さんには報告した方がよさそうだな、これは」
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空乃(プロフ) - 藍さん» ご指摘ありがとうございます！すぐに修正します！ (2017年3月7日 21時) (
レス) id: 7c0d9e76df (このIDを非表示/違反報告)
藍 - かっちゃんの「かつき」の『き』漢字が違いますよー (2017年3月6日 20時) (レス) id: 97e3d67abe (このIDを非表示/違反報告)
空乃(プロフ) - 日飫さん» 申し訳ありません。すぐに直します。忠告ありがとうございます。 (2017年2月19日 16時) (レス) id: 7c0d9e76df (このIDを非表示/違反報告)
日飫(プロフ) - オリジナル作品ではないため、オリジナルのフラグ外してください。違反になってしまいますので。お願いします。 (2017年2月19日 14時) (レス) id: 8d4cf36704 (このIDを非表示/違反報告)
空乃(プロフ) - 柚子さん» 柚子様ありがとうございます！これからもどうぞよろしくお願い致します！ (2017年2月18日 18時) (レス) id: 7c0d9e76df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空乃 | 作成日時：2017年2月11日 0時
