♭個性：13 ページ16
＊
「体育祭…？」
「もうすぐあるのに覚えてないんだね」
「あーそういや昨日、そろそろ種目決めするとか言ってたような…」
今日は珍しく登校時間に緑谷に出会ったので一緒に向かっている。
相変わらず彼は疲れた表情をしているが、前よりはマシらしい。
今も彼の右手にはハンドグリップが握られている。
「できるだけ楽なやつに出たいな…」
「学年リレーと三年全員参加種目は強制だし…大縄跳びはまだ大丈夫じゃないかな？」
「三年全員参加種目…？」
聞き慣れない単語に思わず聞き返す。
「毎年ある三年のみの競技だよ。ほら、あの悲惨な借り物競争」
「ああ…あれは悲惨だったね。かるく地獄絵図」
ようやく思い出した。
ある人は、剣道部の顧問の竹刀を貸してもらうのに腕立て伏せやらされたり
ある人は、兄弟をお姫様抱っこで連れて行ったり
あれは流石に私らもビビった。
「アレを絶対やらなきゃいけないとか…少なくとも剣道部の顧問の竹刀にはあたりたくない」
「それは誰もが思ってると思うよ…」
二人揃って息を吐く。
それにしても、もう体育祭の時期なのか。
この中学は他より早めに行われるので、練習しなくてもいけそうな競技が多い。
大縄跳びは別として。
しかも今回は地獄の競技がある。
…授業がないのは嬉しいけど、今回はそう喜べないな。
「よし、物はともかく…人なら緑谷連れて行くから」
「え、僕？」
「うん。それに緑谷なら私でもお姫様抱っこできそうだし」
「それはやめてほしいかな！？」
めっちゃ顔真っ赤にしながら断られてしまった。
…実際彼は細いからいけると思うんだけど。
あれだけ嫌がられたらしょうがない。
「こういう時友達いないのは辛い」
「あはは…僕も似たようなものだから」
他にも喋れる相手がいたら選択の幅も増えるのに…今の私の状況に落ち込む。
実際友達をつくらない私が悪いんだけどね。
愛想もそんないいわけじゃないし。
「ま、中学最後の体育祭だし頑張るか」
「うん。神無月さんとはクラス違うから敵同士だけど頑張ろうね！」
「緑谷はそれまでに顔色悪いの治しときなよ」
「うっ…！」
図星で言葉が詰まる彼を見て笑いながら、私達は自分の教室に向かった。
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空乃(プロフ) - 藍さん» ご指摘ありがとうございます！すぐに修正します！ (2017年3月7日 21時) (
レス) id: 7c0d9e76df (このIDを非表示/違反報告)
藍 - かっちゃんの「かつき」の『き』漢字が違いますよー (2017年3月6日 20時) (レス) id: 97e3d67abe (このIDを非表示/違反報告)
空乃(プロフ) - 日飫さん» 申し訳ありません。すぐに直します。忠告ありがとうございます。 (2017年2月19日 16時) (レス) id: 7c0d9e76df (このIDを非表示/違反報告)
日飫(プロフ) - オリジナル作品ではないため、オリジナルのフラグ外してください。違反になってしまいますので。お願いします。 (2017年2月19日 14時) (レス) id: 8d4cf36704 (このIDを非表示/違反報告)
空乃(プロフ) - 柚子さん» 柚子様ありがとうございます！これからもどうぞよろしくお願い致します！ (2017年2月18日 18時) (レス) id: 7c0d9e76df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空乃 | 作成日時：2017年2月11日 0時
