9話 ページ37
ライム「けど、生まれたばかりの僕に倒せるわけがない
だから僕は、人間として生活しながら力を高めていくことにしたんだ
僕はオズマを倒すためには"人間が持つ感情" "友情や親への愛情"…
そんなものは邪魔だと分かり、一切の感情を切り捨てた」
『…………』
____
[過去の回想]
ある日、ライムはアトランティスの町で、怪我をして弱っていた鳥を見つけた
ライム《…………》
しかしライムは何もせずに、ただその鳥を見つめるだけ
そこに____
アマーナ《まあ、可哀想……!》
ライム《!》
ライムの後ろからアマーナが走ってきて、彼女の癒しのオーラで鳥の傷を癒した
____
ライム「アマーナ様と出会ったのは、その頃だ」
『へぇ〜……そうだったんだ…』
ライムとアマーナの出会いを聞いたAは、前世の記憶を少しばかり思い出して頷きながらそう言った
ラント「そして彼女は世界の仕組みを、僕に教えてくれた
そして僕は、改めて思った。"この世界を救わなければならない"と…
…確かに僕は、たまに思うことがある
《普通の人間だったら、どういう人生だっただろう》……って」
体育座りをしながら話したライムは、その場から立ち上がり、座ったままのAを見つめる
ライム「…けど、僕は君たちとは違うんだ」
『ライム君………』
そして、一度黙ったライムは覚悟を決めた顔をして、こう話した
ライム「…A、僕は君のことが好きだ」
『………!』
ライム「でも、人間じゃない僕が君と一緒にいることは許されないだろう
人の姿と感情を持っていたとしても、僕自身の存在そのものを変えなければ、きっとAの隣に立つ資格は無い…」
ライムは悲しそうな顔をして下を向くと、Aは勢いよく立ち上がった
『違う!ライム君がどんな存在でも一緒にいる事に資格とかそんな物は必要ない!!
だって何があろうとライム君は、私の大切な友達なんだから……!
だから、ライム君…そんな悲しそうな顔をしないでよ……
あの時みたいに笑ってほしいな……」
Aは必死に自分の思いをぶつけ、最後にライムを見つめながら微笑みを向けた
話を聞いて少しの間だけ黙っていたライムは、自分の手をAに差し出す
ライム「……なら、今だけでもいい
僕の手を取ってくれないかな?」
『………うん』
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作者名:スタースト | 作成日時:2022年2月26日 3時