11話 ページ20
スグル母《スグル。どんなに苦しくても、"人は人としての品位を守らなきゃ"
お父さんは今仕事を失って、少し気が立ってるだけなの》
俯かせていた顔を持ち上げたスグルに、母は明るくこう言った
スグル母《さっ、ご飯食べましょう!
いただきます》
スグル《…………》
______【人は人としての品位を守らなきゃ】
母の口癖だった
1人で働き、家計を助け、家事も一切怠らず、私は母ひとりに育てられたようなものだ
____
スグル《お母さん、しっかりして!》
病室の一室でスグルは声が響かせながら、すっかり細くなってしまった母の手を握っていた
スグル母《…………スグル………》
スグル《お母さん、僕がついてるから!!》
スグル母《…スグル……しっかりと生きていくのよ…
"品位"を失わず、立派な人間に…………》
弱々しい笑顔で言い終わると、それと同時に窓辺の花びらがひらりと落ちた
スグルの目からは大粒の涙がこぼれ落ちていく
______母は無理がたたって病気になり、逝ってしまった
私はあの時誓ったのだ……母の言葉を胸に強く刻んで生きていくことを
それから猛勉強をして、Y学園に奨学金制度を利用して入った
血の滲むような努力をして入ったY学園を、けっして怪我させはしない……!
……だが、あのAを見た時、私は品位ある彼女の姿に目が離せなくなった
だから、Aをこちらに連れていきたいと考えるようになった……
きっと、私は彼女に一目惚れしたのだろう………
____
その頃____
生徒が戦い合っているのを見ながら、扇子を開いたラナは座ったまま、ひそかに微笑んでいた
ラナ「これで、かなりの"データ収集"ができる」
____
高等部軍と中等部軍が戦い始めてから、約数時間……
もう既に皆は疲れ果て、その場に崩れ落ちている者も見える
その光景を見て、膝の上で拳を握っていたマタロウが顔を上げた
マタロウ「…このままじゃ、みんなが………!」
すると、いつのまにか変身を解いたAがマタロウに歩いて近づく
マタロウ「Aさん……?」
『マタロウ君…
君の"気持ち"を言葉にして』
マタロウ「えっ……?」
急にそう言われてマタロウはキョトンとすると、Aは真剣な表情で更にこう話した
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千鶴(プロフ) - 続きが気になりすぎるぅぅ(>罒<;//)早く続きを読みたいけど終わって欲しくない気持ちもある…。番外編とか日常とか読んでみたい。完結までずっと追いかけます!頑張ってください!!! (2022年2月23日 1時) (レス) @page49 id: a221853f3a (このIDを非表示/違反報告)
時間の止まったリス - 凄すぎるうううううううう!!! ここまで続けられている作者様が凄すぎて言葉が出ないです! 応援してます!!! (2022年2月11日 9時) (レス) @page9 id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スタースト | 作成日時:2022年2月11日 4時