14話 ページ45
そこには自分以外の姿は見当たらず、あたりは不気味な静けさに包まれている
チアキ「ここは……昔、ボクたちがライブしてた……」
?「チアキ……」
聞き覚えのある声が自分に掛かり、そちらを振り向くと、
禍々しいオーラを纏った3匹の不気味な生き物………いや"キメラ"が
サトシ「チアキ……」
ミハル「戻ってきてくれたんだね……」
そう、あの時に醜いキメラへと変えられてしまったバンド仲間たちがいた
ケンジ「俺たちずっと待ってたんだぜ……」
チアキ「サトシ……ミハル……ケンジ………
ゴメン…みんな……」
チアキは震える声でそれぞれの名を呟き、身体を少し震わした
チアキ「……ゴメン……ボク、みんなを置いて逃げた……!
あの時のボクは無力で、なにも出来なかった……っ!」
チアキは3人の前を向いて、叫ぶ
チアキ「けど、今は違う……!
ボクは異星人を…アイツらを……絶対に倒す!!」
チアキは胸を握りしめてそう言うが、返ってきた言葉は…
ケンジ「そういうのもういいよ……」
チアキ「え………?」
ミハル「異星人を倒したって……」
ケンジ「こんな姿じゃ……」
サトシ「音楽なんて出来ないし……」
____なぁ、チアキ
____チアキ
____チアキくん
チアキ「ぁ……あぁっ……」
3人の口から己の名が呼ばれる
チアキの体は今以上に震え、頭を抱える
涙をこぼしながら言い続ける仲間たちの姿に耐え切れず、
チアキはその場に倒れ、目の前の世界から逃げるように硬く目を閉じた
チアキ「みんなっ…
ゴメンっ…!ゴメン……っ!!」
『チアキ君』
今度は別の誰かが、チアキの名を口にし、自身に影が覆い被せた
チアキ「A……?」
真上には、自分を覗き込んでいるワイバーン・ゼロがいた。
『もうライブをやらないんだ……
じゃあ、これは私が貰うよ』
ワイバーン・ハンターが肩に担いでいる物は、チアキの愛用しているあのギターだった
チアキ「ッ!!」
『じゃあ____私は先に帰るね』
ギターを持ったまま、この場から去ろうとするワイバーン・ゼロ
チアキ「っ!!」
しかし、その手をチアキが掴み止める
『………なんの真似?』
チアキ「それはこっちのセリフっしょ……!
Aでも、これだけは許さないっ……!!」
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作者名:スタースト | 作成日時:2021年12月8日 3時