復縁なんて絶対しません (ページ37)

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「持ってますよ？」

「それがなにか？」

自分は何か悪いことをしたんじゃないか

自分は何か失礼なことを言ったんじゃないか

そう錯覚せずにはいられないほど

目の前で半月の目をして笑う彼女は怖くて

罪悪感でいっぱいになった俺は彼女の顔を直視できない

やっぱり俺は彼女を怒らせるようなことをしたみたいだ

ぐるぐると考えるも思い当たらず、気持ちはAのアカウントの入手の失敗にばかり傾いて俺はどこまでも自己中心的だった

JK「え……、」

「欲しいんですか？」

JK「っはい」

「A先輩に直接聞けばいいのに」

ご最もなことを口を尖らせて言うわりに携帯を取り出してAのアカウントを探してくれる彼女

なんだ、優しいんじゃん

え、アカウント入手成功じゃん

簡単に手に入って安堵する

生理的に受け付けられない女のアカウントまで手に入れる羽目になったけどまぁ仕方ない

これはすぐに削除するとして

ああ早く、Aと連絡がとりたい

Aのアカウントを前に胸が高鳴る

Aになんて送ろうか？

Aはびっくりするかな

Aが俺を追加してくれたらいいな

Aと初めて連絡交換をした時みたいで嬉しいな

Aの、Aと、Aに

俺の頭の中はAでいっぱい

Aのことしか考えられない

繋ぎ止めて引き止めて手繰り寄せて

やっぱり俺にはAだけ

A

ねぇA

AAAA…

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「てことで約束は守ってくださいねジョングク先輩」

JK「……約束？」

「約束したじゃないですか」

「A先輩のアカウントを渡す代わりに私と1日デートしてくださいって」

「そしたら先輩、いいよって」

「まさか聞いてないとか言いませんよね？」

俺の頭の中はAでいっぱい

だから初めからあの女の話なんて聞いてなかったのだろう

デートの約束なんて俺は1ミリもした覚えがない

「聞いてなかったんですか？」
「いいよって言ったくせに！」

ひどいひどいと俺を悪人にする女のヒステリックな叫び

デート？は？

確かに俺は話を聞いてなかったかもしれないけどそんな約束をした覚えはないし言われた覚えもない

妄言だろどうせ、ふざけんなよ後輩の分際で。

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「ありえないです」

いやそれはこっちのセリフ。

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