復縁なんて絶対しません (ページ32)

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その夜

久々に熱を出した

ぐゎんぐゎんとひどく響く頭の中は

たくさんの情景が交互に入れ替わって

それらは全て見たくない過去で

たった独り

広い部屋でベッドの上で

熱にうなされながら
その苦しみに耐えるしかなかった

駆け回る記憶で特別

私の心を留めるもの

どうしてあの時ジョングクは

私の方を見ていたんだろう

目が合った時

ジョングクは、
とてもびっくりした顔をしていた

…ああ。待って

隣に座る、エリナさん

彼女が彼の名前を呼んでいた

ジョングク先輩って

親しそうに彼を呼んだ

そっか。

初めからジョングクは
エリナさんの方を見ていたんだ。

ジョングクはエリナさんと付き合っているのかな

ジョングクの好きそうな女の子

愛嬌がたくさんあって、妹みたいに可愛い子

私にできない事を簡単にできる女の子

いつだって自分に正直で

彼に対しても誠実で素直で

そんな子

ジョングクが好きにならないはずがない

なりたくてなれなかった自分

そんな子が、今彼の隣にいる

そっか

そっか、

私もう本当に
ただの「元カノ」なんだ。

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『っ……ふ……』

嫌いになれたらよかった

そしたら今、
私はこんなに苦しまずに済むんでしょう？

嫌いになれたらよかった

身の程知らず
もう手の届かない彼を求めずに済むんだから

嫌いになれたらよかった

まだ彼が自分に好意があるだなんて自惚れずに済むだろうか

嫌いになれたらよかった

嫌いになれたら

私は彼のことで泣かずに済むだろうから

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