とある館で起こった話 ページ1
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「"──じゃあきっくん狩人で始めま〜す"」
「"勝ったな"」
「"うわぁ青鬼やりてえ"」
「"んだとゴラァ！"」
──────────────
──────────…
──＞＞＞ 3 ＜＜＜
─＞＞ 2 ＜＜
＞ 1 ＜
-あなたは青鬼です-
ばれないようにひろしを全員食べましょう
「(…ふ、楽勝だな)」
「"──ぐちつぼさん、また青鬼？"」
「いえ？流石に連続は確率低いっすよ〜」
このニヤつく顔は自ら人狼だと名乗り出ているようなもの。しかし生憎画面越しの状況下では叶うこと出来ず、いつも通りに飄々とした声音でしれっと雑談に混ざる。きっくんさんが狩人なら勝ったも同然、今度はどんな風にゲームを搔き乱そうか。そんな期待を抱き慣れた手つきで操作していると、隣に来たカツドウメイさんに名前を呼ばれた。
「"…ぐっち、"」
「？なんすか？」
「"あんまいじめ過ぎないでね？きっくんの事"」
心なしか画面に映るマイクラスキンの表情が動いた気がする。ヘッドホンから伝わる声は少し不安そうに、少し甘えるように。きっくんさんの事を心配する気持ちが筒抜けであった。無意識であろう声色の出し方はさすがというべきか何というか…一瞬停止した脳を奮い起こし、込み上げた悪戯心のせいで口角が上がる。
「…さぁ？どうしようかなぁ〜？」
「"はぁ…言っても無駄とは思ってたけど。てか今の発言、完全に青だよね？"」
「……あ」
後悔するも遅し。数舜の間を挟み、そしてそれ以上言葉を続けることなく…──視線を切り、走った。
「"ちょ、走ってるｗｗ"」
「"きっくーん！きっくんどこー！！"」
居合わせた焼きパンと共に騒ぎ散らかす様は、先程までのしんみりとした雰囲気は見受けられない。俺の考えすぎか、と相変わらず親しみと同時にどこか裏がある様を見て見ぬフリをし。俺の思考はすぐに目の前の呑気な狩人へと向き直していた。
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作者名：にゃむ吉 | 作成日時：2022年6月11日 16時
