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「ふぁあー……ねむ」
ついつい夜更かしをしてしまったせいで、眠気を堪えきれず大きな欠伸をつく。同じ時間帯からの講義に向けて道中はそれなりに賑わっており、見覚えのある人達もちらほら。一方で少人数ながらも段々とグループが出来つつある様子を見て、少し焦る気持ちも湧いてきた。でも大丈夫、昨日新たに先輩と知り合えたし、私には"あの子"が…そうまだ寝ぼけた思考のまま歩いていると、遠くの方から大きな声が途切れ途切れに聞こえてきた。それは段々とこちらの方へ近づき、誰かの名前を叫んでいるようにも聞こえる。これだけ多くの人がいるとはいえ、珍しい人もいるんだなと他人事に思っていた…はずだった。
「───…！」
「ん？」
「──Aー！！」
「…はい？」
まさかその謎の行動をとる人物が、自分の名を呼び猛ダッシュでこちらへ向かい真っすぐ走ってくるなど、誰が想像できただろうか。同姓同名の人が居るに違いない、と思いたくとも、その行動に不審さを感じ気づけば皆その行き先を避けている。だからこそ、その目的が他の誰でもない、私ひとりに向かっているのが明白であった。動揺で身体が硬直し、逃げる事も出来ず。結局その"不審者"は私の前まで駆け寄ると正面から両肩を掴み、こちらのことなど気にする素ぶりもなく目線を合わせてきた。
「俺や、ロボロや！覚えとるやろ？！」
「え、あっ、あの…？どこかでお会いしましたか…？」
「な…ほんまに…ほんまに、何も覚えておらんのか…？なんでそんな事に…ってうわっ！」
「…！」
「こら！びっくりさせちゃ駄目や言うたやろ」
「ちょ、神…！離せ！」
『──…、聞─…る…かA！無事なら応答してくれ！！』
「え…」
"ろぼろ"と名乗る人物に覚えはない、はずだった。後から追いかけてきた男性に軽々と首根っこを掴まれ、私に接していた手が剥がれた。そのやり取りを耳にした途端、急に脳内に誰かの声が聞こえてきたのだ。しかもそれは…何故か目の前の彼の声とそっくり。正夢か何かなのだろうか、それとも…過去に実際に耳にした声音なのだろうか？目の前で賑わい続ける様が、どこか他人事に感じることができない。するともうひとり男性が近寄り、ふんわりと苦笑を浮かべ声をかけてきた。
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にゃむ吉(プロフ) - 狛狐さん» メッセージありがとうございます！前作の頃も、書いている途中は読み応えのあるものがつくれているのか不安だったのですが、涙する程の作品となったことをとても誇らしく思います。ぜひまたの機会にご感想伺いたいです！今後ともよろしくお願いいたします (2021年11月30日 7時) (
レス) id: ba49f73308 (このIDを非表示/違反報告)
狛狐(プロフ) - 儚さと力強さを感じさせてくれるとても素敵なお話で終始涙が止まりませんでした…今も泣いてます…長々とすみません、、もっと沢山素敵ポイントをお伝えしたいのですが文字数的にもここで我慢しておきます…これからも応援させて下さい。更新楽しみにしております (2021年11月30日 3時) (レス) id: f8a7d6fbdd (このIDを非表示/違反報告)
狛狐(プロフ) - 最初は転生前（前作）の題名に惹かれ読み始めたのですが稀に見る良作過ぎて一気にここまで読み進めてしまいました……文章の組み方や言葉遣い、表現の仕方などがとても心に刺さり1話を何度も読み返してしまうほど大好きです。なによりも内容が素敵すぎる…… (2021年11月30日 3時) (レス) @page21 id: f8a7d6fbdd (このIDを非表示/違反報告)
にゃむ吉(プロフ) - とぴあさん» メッセージありがとうございます！涙流されるほどのインパクトをつくることができ、とても光栄です…まだまだ先は長いのですが、読んでくださった分を無駄にしないよう、より気持ちを込めて執筆しようと思います。引き続きよろしくお願いいたします！ (2021年10月12日 7時) (レス) id: ba49f73308 (このIDを非表示/違反報告)
とぴあ - 一気に読み進めていたら、思わず涙が出てきてしまいました……。自分でもびっくりしているのですが、きっと作者様の文章が素晴らしかったからです。読んでいてこんなに幸せな気持ちになれる作品は初めてです。続編でも更新ぜひ頑張ってください。 (2021年10月12日 0時) (レス) @page5 id: 9545a37ffd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃむ吉 | 作成日時：2021年10月1日 17時
