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「国外に居たとはいえ、俺らの事だけじゃなくてAの事も憶えていたら。流石に何かしらアクションしてくると思ったんやけど…何も無かったから、もしかしてと思ってな」
「…グルッペンにとってそれだけAが大事な存在だから、とも考えられるってことか」
「そもそも、転生自体が非科学的ですし…都度都度状況を正確に見定める必要がありますね」
各々が嚙み砕きながら現実を受け止める最中、無情にも予鈴が鳴り渡った。話し合いは中断を余儀なくし、グルッペンの対応はトントンとエミさんに任せる形で一同解散となる。結局明確な解決策を見出せぬまま、再会を喜び合う日はまだ遠い事を思い知らされてしまった。
───────
────…
「──で？」
「え？」
「さっきの電話。誰だったの？随分楽しそうに話していたけど」
「あぁそのこと…えっと、何というか……昔馴染みの、友達？」
「あはは、何で疑問符ついてるの」
"苦楽を共にした仲間"
そう鬱先生から説明されたし、ぼんやりとだけれど記憶もある。しかしそんな仲間達の中でも、記憶に残っている人そうでない人に分かれてしまっているのは何故だろう。それに…覚えていないという言葉を聞いた時の、とても悲しく辛そうな表情。彼らが悲しむ理由と、私の中に残っていない理由とは、何か関係があるのだろうか。それに、先程すれ違った人物…
『もしもし？』
『"Aちゃん、ちょっとそこで立ち止まって！？"』
『え？なに、一体どうし…た……』
『は？正面…？一体何のことを言って…』
電話越しの説得に促され立ち止まった矢先、ふと視界の端を通った人の声が耳に届く。私と同じように電話中であった彼は、怪訝な面持ちで周囲を見回していた。その拍子に一瞬だけ、たまたま視線が交わり、目に焼き付いたのは彼の瞳のこと。少し日本人離れした整った顔立ちに輝くそれは、やたらと記憶に刻まれ、初対面の人に対し抱いたことのない胸のざわめきが募る。
『──おいトン氏、さっきから何の話かさっぱりなんだが？』
『──鬱先生？もしもし？』
しかしそれも数舜もすれば静まり、自然と互いの会話に戻っていく。けれど結局鬱先生は急用が出来たと電話を切ってしまい、彼の行動の意図が読めぬまま。まだ距離感を掴むのが難しいけど、きっと時間が解決してくれる…勇気のない私には、そう祈る他ない。
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にゃむ吉(プロフ) - 狛狐さん» メッセージありがとうございます！前作の頃も、書いている途中は読み応えのあるものがつくれているのか不安だったのですが、涙する程の作品となったことをとても誇らしく思います。ぜひまたの機会にご感想伺いたいです！今後ともよろしくお願いいたします (2021年11月30日 7時) (
レス) id: ba49f73308 (このIDを非表示/違反報告)
狛狐(プロフ) - 儚さと力強さを感じさせてくれるとても素敵なお話で終始涙が止まりませんでした…今も泣いてます…長々とすみません、、もっと沢山素敵ポイントをお伝えしたいのですが文字数的にもここで我慢しておきます…これからも応援させて下さい。更新楽しみにしております (2021年11月30日 3時) (レス) id: f8a7d6fbdd (このIDを非表示/違反報告)
狛狐(プロフ) - 最初は転生前（前作）の題名に惹かれ読み始めたのですが稀に見る良作過ぎて一気にここまで読み進めてしまいました……文章の組み方や言葉遣い、表現の仕方などがとても心に刺さり1話を何度も読み返してしまうほど大好きです。なによりも内容が素敵すぎる…… (2021年11月30日 3時) (レス) @page21 id: f8a7d6fbdd (このIDを非表示/違反報告)
にゃむ吉(プロフ) - とぴあさん» メッセージありがとうございます！涙流されるほどのインパクトをつくることができ、とても光栄です…まだまだ先は長いのですが、読んでくださった分を無駄にしないよう、より気持ちを込めて執筆しようと思います。引き続きよろしくお願いいたします！ (2021年10月12日 7時) (レス) id: ba49f73308 (このIDを非表示/違反報告)
とぴあ - 一気に読み進めていたら、思わず涙が出てきてしまいました……。自分でもびっくりしているのですが、きっと作者様の文章が素晴らしかったからです。読んでいてこんなに幸せな気持ちになれる作品は初めてです。続編でも更新ぜひ頑張ってください。 (2021年10月12日 0時) (レス) @page5 id: 9545a37ffd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にゃむ吉 | 作成日時：2021年10月1日 17時
